翻訳|ebonite
天然ゴム,スチレン・ブタジエンゴム(SBR)などに多量の硫黄を加えて加硫した硬質ゴム。黒檀(こくたん)ebonyに似て黒く光沢があることからエボナイトと呼ばれる。1851年のロンドン万国博覧会にN.グッドイヤー(加硫現象を発見したC. グッドイヤーの弟)によって初めて製品として出品された。普通のゴム製品の加硫にはゴム100重量部に対して0.5~5重量部の硫黄が使用されるが,エボナイトの場合には25~70重量部という多量の硫黄を加え長時間かけて加硫する。加硫時の容積収縮や発熱を抑えたり,コストダウンなどの目的でクレー,炭酸カルシウムなどの充てん(塡)剤を配合する。化学的安定性,耐薬品性にすぐれ,また電気絶縁性,機械加工性にもすぐれるため,製品の出現した当初は,蓄電池槽,電気絶縁材料,パイプ,種々の容器などに使用されてきたが,石油化学の発展とともに登場した加工性に富む各種プラスチックにほとんどその座を奪われてしまった。
執筆者:住江 太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
天然ゴムの生ゴム100に対して硫黄(いおう)30~40を加え、長時間加熱して得られる樹脂状物質。硬質ゴムともいう。外観がエボニーebony(黒檀(こくたん))に類似しているところから、エボナイトと命名された。加硫時に加える配合剤によって美しい光沢と色(褐色~黒色)を示し、伸びが3%程度のプラスチックに近い固体である。80℃程度で柔らかくなるが流動性はなく、耐酸性、耐アルカリ性、電気絶縁性、機械加工性が優れている。19世紀後半から電気絶縁体やライニング材などに使われていた。その大部分は20世紀後半に類似の性能をもつ各種プラスチック・ゴムに置き換わった。万年筆の軸、ボウリングのボール、楽器などの用途が残っている。
[福田和吉]
ゴムに対して結合硫黄量が30% 以上の加硫ゴムをいう.生ゴムあるいはある種の合成ゴムに多量の硫黄を加え,比較的長時間加熱して得られる.美しい光沢と強度,化学安定性,電気絶縁性,機械加工性がすぐれ,万年筆の軸,絶縁体などに使われていたが,プラスチック工業の躍進により,その用途が狭められつつある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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