日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルー」の意味・わかりやすい解説
エルー
えるー
Paul Louis Toussaint Héroult
(1863―1914)
フランスの冶金学者(やきんがくしゃ)。アルクールに生まれ、1882年パリの鉱業大学に入学、金属の電気化学的製法の研究を行った。1886年溶融氷晶石中の酸化アルミニウムを電気分解してアルミニウムを製造する直接電解法(エルー法)の特許を得た。翌1887年には5ボルト、4000アンペアのエルー式電解炉の建設を指導した。電解法は、電力技術の進歩を背景に、従来のナトリウム還元法より格段に経済的な方法として急速な普及をみせた。エルーは電解炉でさまざまな金属製造の試験を行い、1900年にはくず鉄を利用して鋼鉄をつくることに成功、1902年アーヘン工業大学より名誉工学博士号を贈られた。
[高橋智子]
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