オガラバナ(読み)おがらばな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オガラバナ」の意味・わかりやすい解説

オガラバナ
おがらばな / 麻幹花
[学] Acer ukurunduense Trautv. et C.A.Mey.

カエデ科(APG分類:ムクロジ科)の落葉低木ないし中高木。葉は対生し、葉柄は4~12センチメートルで葉身は長さ7~14センチメートル、幅5~15センチメートル。掌状に5~7浅裂もしくは中裂し、縁(へり)にやや粗い鋸歯(きょし)がある。冬芽の鱗片(りんぺん)は2~3対(つい)。雌雄同株。花は淡黄色小花で、100~200個の花が上向きの穂状花序をつくる。花弁5枚、萼片(がくへん)5枚、雄しべ8本。花期は6~7月。果実は2翼があり、秋に熟す。本州の近畿地方以北、北海道から東アジア北部の亜寒帯から寒帯に広く分布する。近縁種が中国からヒマラヤにかけて1種、北アメリカ東岸部に1種ある。花が穂状に開くのでホザキカエデともいう。オガラバナの名は、材が麻幹(おがら)(麻の皮をはいだあとの茎)のようにもろいカエデの意というが、実際にはそれほどもろくない。

緒方 健 2020年9月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オガラバナ」の意味・わかりやすい解説

オガラバナ(麻幹花)
オガラバナ
Acer ukurunduense

カエデ科の落葉小高木。近畿地方以北の本州および北海道の山地に生育し,幹は高さ約 3mに達する。葉は長い柄 (5~12cm) をもって対生し,五角状円形で長さ7~14cm,幅5~15cm,掌状に浅く5~7裂し,各裂片の縁には重鋸歯がある。7月頃,若い枝の先に直立した総状花序をつくり,黄緑色の花を多数つける。花には雄花両性花があり,1つの株に共存する。萼片と花弁はともに5枚で,おしべは8本。子房は初め毛を密生するが,果期にはほとんど無毛になり,2個の分果は長さ 1.5~2cmで斜めに開出する。

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