オストラバ(読み)おすとらば(英語表記)Ostrava

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オストラバ」の意味・わかりやすい解説

オストラバ
おすとらば
Ostrava

チェコモラビア地方北部の重化学工業都市。オドラ(ドイツ語名オーデル)川が山地から平野に流れ出る地点に位置している。人口31万9293(2001)。オストラバ・カルビナ炭田の中心で、チェコの石炭冶金(やきん)工業の大中心地である。鉄冶金(ビトコビツキ冶金コンビナート、クンチツキ冶金コンビナート)、コークス化学、重機械工業などが発展している。18世紀後半に石炭が発見され、19世紀後半から大規模な開発が始まった。鉄道の要地で、東はポーランドと、南東はヤブルンコフスキ峠を通ってスロバキアと、南および南西はモラバ門とよばれる山地間の低地を経由して、モラビア、ボヘミアと、それぞれ結ばれている。機械鉱山高等専門学校がある。市の発展とともに市域が拡大し、西境に住宅地域ボルバが形成され、ベッドタウンのガルジョフが成長した。

[中村泰三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オストラバ」の意味・わかりやすい解説

オストラバ
Ostrava

ドイツ語ではオストラウ Ostrau。チェコ東部,モラバ (モラビア) 地方北部の都市。シュレジエン (チェコ語ではスレスコ) 炭田地帯の南端,ポーランドとの国境近くに位置する。 1267年頃,モラバ地方の北の守りとして築かれた要塞町が起源。いまも 13世紀の聖堂などが残されている。かつて「チェコスロバキアの鉄の心臓」と呼ばれ,現在も周辺のハビージョフ,カルビナー,オルロバーなどとともに面積約 1000km2,人口約 50万の一大鉱工業地帯を形成。良質の黒炭を産する大炭鉱,コークス工場,発電所,製鉄所などが集中。また周辺都市には鉱山機械,車両,自動車などの工業も立地している。オストラバはその中心都市として,飛行場をはじめ各種の交通運輸のターミナル機能,経済・商業機能,歌劇場を含む劇場群,美術館などの文化的施設をもつ。人口 32万 7553 (1991推計) 。

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