馬場孤蝶(読み)ババコチョウ

デジタル大辞泉 「馬場孤蝶」の意味・読み・例文・類語

ばば‐こちょう〔‐コテフ〕【馬場孤蝶】

[1869~1940]英文学者・翻訳家・随筆家高知の生まれ。本名、勝弥。辰猪たついの弟。島崎藤村戸川秋骨らと親交を結び、「文学界同人となった。慶大教授。著「明治文壇回顧」など。

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精選版 日本国語大辞典 「馬場孤蝶」の意味・読み・例文・類語

ばば‐こちょう【馬場孤蝶】

  1. 英文学者、随筆家。高知県出身。本名勝彌。馬場辰猪は兄。明治学院在学中同級の島崎藤村、戸川秋骨らを知る。「文学界」の同人となり、小説評論などを発表。のち翻訳の仕事に従事。明治三九年(一九〇六)から昭和五年(一九三〇)まで慶応義塾大学教鞭をとった。著作「明治文壇回顧」など。明治二~昭和一五年(一八六九‐一九四〇

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20世紀日本人名事典 「馬場孤蝶」の解説

馬場 孤蝶
ババ コチョウ

明治〜昭和期の英文学者,翻訳家,随筆家



生年
明治2年11月8日(1869年)

没年
昭和15(1940)年6月22日

出生地
高知市中島町西詰

本名
馬場 勝弥

学歴〔年〕
明治学院普通部〔明治24年〕卒

経歴
明治24年、高知の共立中学英語教師となるが、翌年上京して日本中学に勤務し、島崎藤村らの「文学界」に参加する。小説、評論、随筆、詩の分野で幅広く発表し、その一方で英文学者として「イリアード」などの翻訳もする。28年彦根中学に赴任し、さらに浦和中学を経て日本銀行文書課に勤務。晩年の昭和11年「明治文壇回顧」を刊行した。

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改訂新版 世界大百科事典 「馬場孤蝶」の意味・わかりやすい解説

馬場孤蝶 (ばばこちょう)
生没年:1869-1940(明治2-昭和15)

翻訳家,随筆家。高知県の生れ。本名勝弥。自由民権運動馬場辰猪の弟。明治学院卒。同級に島崎藤村,戸川秋骨がおり,その縁で《文学界》の同人となって,同誌に小説,評論,随筆を発表。西洋文学の紹介でも活躍する。中学教師,日本銀行勤務の後,1906年以降慶大教授。その後,大杉栄荒畑寒村らのグループに接近したこともある。翻訳にドーデ《野の花》(1902),トルストイ戦争平和》(1914-15)など多数。随筆に《明治文壇回顧》(1936)その他がある。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「馬場孤蝶」の意味・わかりやすい解説

馬場孤蝶【ばばこちょう】

翻訳家,随筆家。本名勝弥。土佐の人。馬場辰猪の弟。明治学院卒。島崎藤村戸川秋骨の同級生で,その縁で《文学界》同人となり,詩,小説,評論などを書いた。トルストイの《戦争と平和》その他を訳し,《明治文壇回顧》《明治文壇の人々》などの著がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬場孤蝶」の意味・わかりやすい解説

馬場孤蝶
ばばこちょう
(1869―1940)

英文学者、随筆家。土佐国(高知県)に生まれる。本名勝弥。明治学院に学び、島崎藤村(しまざきとうそん)、戸川秋骨(しゅうこつ)、平田禿木(とくぼく)らと知り、『文学界』同人となる。詩、小説、評論などを発表したが、その功はモーパッサン、バルザック、ゴーリキー、チェーホフらの翻訳・紹介にある。また、大杉栄らの『近代思想』にも近づき、大正時代の社会主義運動にも影響を与えている。著書に『明治文壇回顧』(1936)や『明治文壇の人々』(1942)などがある。

[山中信夫]

『『明治文学全集32 女学雑誌・文学界集』(1973・筑摩書房)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「馬場孤蝶」の解説

馬場孤蝶 ばば-こちょう

1869-1940 明治-昭和時代前期の翻訳家。
明治2年11月8日生まれ。馬場辰猪(たつい)の弟。中学教師をへて慶大教授となり英文学を講じた。また「文学界」同人として詩,小説,評論,翻訳などを発表。晩年は随筆家として知られた。昭和15年6月22日死去。72歳。土佐(高知県)出身。明治学院卒。本名は勝弥。著作に「明治文壇回顧」,訳書にトルストイ「戦争と平和」など。
【格言など】人間は破壊的の動物なり(「流水日記」)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「馬場孤蝶」の意味・わかりやすい解説

馬場孤蝶
ばばこちょう

[生]明治2(1869).11.8. 高知
[没]1940.6.22. 東京
翻訳家,随筆家。本名,勝弥。自由民権運動の政治家馬場辰猪の弟。 1891年明治学院卒業。島崎藤村らと同級で,93年『文学界』の創刊に参加,翻訳集『やどり木』 (1903) や『戦争と平和』 (41) ほか A.ドーデ,M.ゴーリキーらの多数の翻訳に功績をあげた。

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367日誕生日大事典 「馬場孤蝶」の解説

馬場 孤蝶 (ばば こちょう)

生年月日:1869年11月8日
明治時代-昭和時代の英文学者;翻訳家;随筆家
1940年没

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世界大百科事典(旧版)内の馬場孤蝶の言及

【草餅】より

…ヨモギの葉をつきこんだ餅。《荆楚歳時記》によると,6世紀ごろの中国では3月3日にハハコグサの汁と蜜(みつ)を合わせ,それで粉を練ったものを疫病よけに食べる習俗があった。これが伝えられたのであろう,平安初期の日本でも3月3日の節供にはハハコグサ入りの餅をつくっていた。…

【ヨモギ(艾∥蓬)】より

…独特の風味があり,なつかしさを覚える春の風物詩である。古くはヨモギの代りに,ハハコグサを用いていた。また,夏,葉のよく茂った時期に,葉を刈り取って乾燥し,臼でつき,綿毛を集めたものを〈もぐさ〉といい,灸(きゆう)の材料とする。…

※「馬場孤蝶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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