オラトリオ会(読み)オラトリオかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オラトリオ会」の意味・わかりやすい解説

オラトリオ会
オラトリオかい

2つの教区付き司祭会。 (1) Congregatio Oratorii  1551年以来聖フィリッポ・ネリが行なった霊的信心業に加わった弟子たちが集って,64年創設され,75年信心会となり,1612年教皇パウロ5世から会則が公認された。イタリア,フランス,スペインを中心に発展した。聖職者育成,教育,司牧などのほかに特に音楽において各国語の聖歌を歌劇化して「オラトリオ」を発達させた。オラトリオの名称は,彼らが信心業を行なったオラトリウム (祈祷所) に由来するとされる。 (2) Oratoire de Jésus-Christ  1611年前者にならってド・ベリュルがパリに創立,フランスのほか各地に普及。神学校のほか初等教育にも進出,ジャンセニストに好意的な一部の傾向によりイエズス会との対立を生み出した。フランス革命により解散されたが,1852年ペテトらが O. de J.-C. et de Marie-Immaculéeとして再建。多くのすぐれた神学者を輩出させた。 (1) (2) ともに誓願を立てないが,共住生活を営み,(2) は厳格な中央集権的な組織をもっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android