精選版 日本国語大辞典 「おろおろ」の意味・読み・例文・類語
おろ‐おろ
(「おろか(疎)・おろそか(疎)」などの「おろ」と同源の「おろ」を重ねた語)
[1] 〘形動〙 不十分なさま。いいかげんなさま。
※中外抄(1137‐54)久安元年八月一一日「ゆゆしげにおろおろなる直衣きてありき」
[2] 〘副〙
[一]
① 不十分なさま。いいかげんなさま。どうやらこうやら。ふじゅうぶんながら。
※宇治拾遺(1221頃)一「さきの翁よりは、天骨もなく、おろおろかなでたりければ」
② 部分的で、全部にいきわたらないさま。まばらに。ところどころ。
※江談抄(1111頃)三「三年と云八月十五夜、をろをろくもりたるに」
③ ぼつぼつ。とりとめなく。
[二] (「と」を伴って用いることが多い)
① どうしてよいかわからずあわてるさま。落ち着きを失っているさま。
※日葡辞書(1603‐04)「vorovoroto(ヲロヲロト) スル」
※雨ニモマケズ(1931)〈宮沢賢治〉「ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ」
② 涙もろい状態。声をうるませて涙声になっているさま。
※浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)上「にらむ目の中おろおろと女は涙もろかりし」
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