しどろもどろ(読み)シドロモドロ

デジタル大辞泉 「しどろもどろ」の意味・読み・例文・類語

しどろ‐もどろ

[形動][文][ナリ]《「しどろ」を強めていう語》言葉使い方や話の内容などが、とりとめなく、ひどく乱れたさま。「しどろもどろに言いわけをする」「しどろもどろな答え」
[類語]へどもどおたおたおろおろうろうろまごまごうだうだぐだぐだくだくだくどくどぶつぶつぶうぶうぶつくさがたがたつべこべぐずぐずたらたらああだこうだ四の五の四の五の言うぼじゃぼじゃぼそぼそぼそっとぽつりぽつりぽつりひそひそちょろりぽろりもごもごもぐもぐぽつぽつささやくささやきつぶやくつぶやき

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精選版 日本国語大辞典 「しどろもどろ」の意味・読み・例文・類語

しどろ‐もどろ

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「しどろ」を強めていう語 ) 言動秩序がなく、たいそう乱れているさま。また、足もとの定まらないさま。
    1. [初出の実例]「中納言しどろもどろにゑひて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
    2. 「筆にまかせて乱れ書き給へる、見どころ限りなし。しとろもとろに愛敬づき、見まほしければ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)
    3. 「段々泣声になって、しどろもどろな事を言ふ」(出典:煤煙(1909)〈森田草平〉二)

しどろもどろの語誌

( 1 )挙例源氏」などに見られるように、中古・中世用例では、乱れていること全般を表わし、特にマイナスのイメージは強くはなかった。
( 2 )歌語としても用いられ、その場合苅萱(かるかや)のイメージと結びつくことが多い。
( 3 )中世後期には、特に足どりがたよりないことに多く用いられるようになり、近世に入ると、あわてたり動揺したりして話し方が円滑さを失った様子に偏るようになった。

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