オロシウス(読み)おろしうす(英語表記)Paulus Orosius

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オロシウス」の意味・わかりやすい解説

オロシウス
おろしうす
Paulus Orosius

生没年不詳。スペイン出身の聖職者、著作家。414年ごろ、若くしてヒッポの司教アウグスティヌス指導を求めて北アフリカに渡り、ついで聖地に行き、エルサレムペラギウスと論争した。その後アフリカに戻り、アウグスティヌスの勧めにより、『神の国』を補う目的で、中世歴史記述に深い影響を与えた世界史書『異教徒を駁(ばく)する歴史』7巻を418年ごろ書き上げたが、以後消息は不明である。

[出崎澄男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オロシウス」の意味・わかりやすい解説

オロシウス
Orosius, Paulus

4世紀末から5世紀初め頃のスペインの司祭歴史家。 414年頃ヒッポにおもむき,そこでアウグスチヌスに会ってその弟子となった。アウグスチヌスのすすめにより著わした主著『異教徒に対する歴史』 Adversus Paganos Historiarum libra VIIはキリスト教立場から書かれた最初の世界通史である。

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