五十音図第1行第5段の仮名。平仮名の「お」は「於」の草体から、片仮名の「オ」は「於」の偏から変化してできたものである。万葉仮名では「意、憶、於、淤、應、飫(以上音仮名のみ)」などが使われた。音韻的には5母音の一つ/o/にあたる。唇を丸め、奥舌で口の広がりが中ぐらいの母音である。
オ段長音であっても、その引き音節部分が、歴史的仮名遣いで「ほ」とされていたものは、「おおきい」「とおい」などのように表記される。
古くワ行の「を」「ヲ」は別音で、/wo/を表した仮名であり、現在これらは、原則として助詞以外には用いられない。「を」は「遠」の草体から、「ヲ」は「乎」の初めの3画からできたものである。万葉仮名では「乎」「呼」「袁」「遠」「越」(以上音仮名)、「男」「雄」「緒」(以上訓仮名)などが使われた。ほかに草仮名として「(越)」「(緒)」「(尾)」「(乎)」などがある。
[上野和昭]
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