デジタル大辞泉 「を」の意味・読み・例文・類語
を[格助・接助・間助]
1 動作・作用の目標・対象を表す。「家
「ただ月―見てぞ、西東をば知りける」〈土佐〉
2 移動の意を表す動詞に応じて、動作の出発点・分離点を示す。…から。「東京
「さびしさに宿―立ち出でてながむればいづくも同じ秋の夕暮」〈後拾遺・秋上〉
3 移動の意を表す動詞に応じて、動作の経由する場所を示す。…を通って。「山道
「また住吉のわたり―こぎゆく」〈土佐〉
4 動作・作用の持続する時間を示す。「長い年月
「足引の山鳥の尾のしだり尾のながながし夜―独りかも寝む」〈拾遺・恋三〉
5 (「
「夜はも夜のことごと昼はも日のことごと
6 遭遇や別離の対象を表す。…に。
「
[補説]1の「水を飲みたい」などは、「を」の代わりに「が」を用いることもある。格助詞「を」は、の間投助詞から生じたといわれる。
[接助]活用語の連体形、まれに名詞に付く。
1 逆接の確定条件を表す。…けれども。…のに。
「亡き人の来る夜とて
2 原因・理由を表す。…ので。…(だ)から。
「ししこらかしつる時は、うたて侍る―、とくこそ試みさせ給はめ」〈源・若紫〉
[間助]名詞、動詞型活用語の連体形・命令形、形容詞・形容動詞型活用語の連用形、助詞などに付く。
1 (文中・文末で)感動・詠嘆・強調を表す。…(だ)なあ。…ね。…よ。
「
「萩が花散るらむ小野の露霜にぬれて―ゆかむ
2 (文中で名詞に付き、下に形容詞語幹に接尾語「み」の付いたものを伴って)理由・原因を表す句の中で、上の名詞を特に取り立てて強調する意を表す。…が…ので。…の…さに。
「若の浦に潮満ち来れば
[補説]主に上代の用法で、中古でもみられるが、鎌倉時代以後は和歌以外にはほとんどみられなくなる。この用法が格助詞・接続助詞に発達したという。なお、1の文末用法を終助詞、2を格助詞とする説もある。