カイリ(読み)かいり(その他表記)nautical mile

翻訳|nautical mile

改訂新版 世界大百科事典 「カイリ」の意味・わかりやすい解説

カイリ(海里) (かいり)
nautical mile

長さの単位航海航空距離を表すのに用いる。今日の国際慣行では,1929年の臨時国際水路会議での決定により1カイリは1852mとしている。日本の計量法でも,特殊の計量に用いる補助計量単位であって1852mと定め,M,nmまたは′の記号で表す。歴史的には,地球の平均子午円の中心角1分に対する地表上の長さ,または船舶曳航測程儀機能から割り出されてきたために不統一で,例えばイギリスでは6080フィート(1853.1824m),アメリカでは6080.2フィート(1853.1887m)であった。毎時1カイリの速さを1ノットknot(kn)といい,船舶などの速さを表すのに用いられる。国際単位系の立場からは推奨しがたい単位である。
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カイリ

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関連語 高田

百科事典マイペディア 「カイリ」の意味・わかりやすい解説

カイリ(海里)【かいり】

浬とも書く。航海,航空で使われる距離の単位。記号Mまたはnm(nautical mile)。もともとは,地球の平均子午円の中心角1分に対する地表上の長さ,または船の測程儀の機能から割り出されたものであったため国によって差異があったが,今日の国際慣行では1929年の臨時水路会議での決定に基づき,1カイリ=1852mとしている。毎時1カイリの速さが1ノット。→ノット
→関連項目灯台

カイリ

ビーバー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カイリ」の意味・わかりやすい解説

カイリ
nautical mile

航海,航空に用いられる長さの単位。海里。浬とも書き,記号′を用いることもある。1カイリは 1852m。もともと 1カイリは子午線緯度 1分に対する地表面上の長さとして導入されたが,その長さは緯度により異なる。多くの国では緯度 45度における 1分の長さとして 1852mの値が使われてきた。アメリカ合衆国やイギリスではこれより少し大きい値を 1カイリとしていたが、前述の値が国際カイリとして採用された。

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世界大百科事典(旧版)内のカイリの言及

【ビーバー】より

…カイリ(海狸)ともいう。齧歯(げつし)目ビーバー科の哺乳類。…

【マイル】より

…倍量単位としてかつては3miに等しいリーグleague(法定リーグ)を用いた。なお,航海・航空用の距離の単位である海里nautical mile(=1.852km)もその分野では単にマイルといわれる。【三宅 史】。…

※「カイリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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