カギムシ(読み)かぎむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カギムシ」の意味・わかりやすい解説

カギムシ
かぎむし / 鉤虫

動物分類学上、有爪動物門(ゆうそうどうぶつもん)Onychophoraを構成する動物群の総称。全世界で約80種が知られている。インドネシアの島々ヒマラヤ、コンゴ民主共和国(旧、ザイール)、西インド諸島、南アメリカ北部にわたる熱帯地域と、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカアンデス山脈にわたる南半球の温帯地域に分布し、北回帰線以北にすむ種はない。森林中の落葉や倒木の下、谷川の崖(がけ)の土中など湿った場所にすむ。外形はまさにイモムシ状で、体節制はみられない。体長は2~15センチメートルで、前方に1対の触角がある。種によって14~43対の突起状の歩肢(ほし)をもち、先端に2本のつめがあり、それが和名の由来である。歩肢で体を持ち上げ、体を伸縮させてゆっくり移動する。ほとんどの種は雑食性で、腐りかけた植物を好んで食べるほか、巻き貝、昆虫、ミミズなども捕食する。多くの種はとくに好んでシロアリを食べる。獲物に向かって粘着性のある液体を左右の口側突起から噴出するが、この液体は約50センチメートルも飛び、空気に触れるとすぐに硬化する。雌雄異体で、一般に雄のほうがやや小さく、歩肢の数も少ない。生殖行動については不明の点が多いが、雌は一生に一度貯精嚢(せいのう)に精子を蓄える。一般に卵胎生(らんたいせい)か胎生であるが、オーストラリアには卵生のものが数種あり、キチン質の殻に包まれた卵を湿った土中に産み付ける。

[武田正倫]

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