カゲロウ類(読み)カゲロウるい(その他表記)Ephemeroptera; may fly

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カゲロウ類」の意味・わかりやすい解説

カゲロウ類
カゲロウるい
Ephemeroptera; may fly

カゲロウ目に属する昆虫総称蜉蝣類ともいう。不完全変態をする有翅類で,小型ないし中型の軟弱な昆虫である。口器は咀嚼型であるが,退化して機能をもたないため成虫の寿命は非常に短く,ほとんどが2~3日間,短いものでは2時間に満たない種もある。触角は短糸状。前翅は膜質,ほぼ三角形で,細かい多数の脈がある。後翅は非常に小さいかまたは欠如する。腹端に普通2,または3本の尾毛がある。前肢は長いが,静止するときは中肢後肢とで止り,前肢と尾を上方へ上げ,は背中に合せて立てる。幼虫はほとんど流水中にすみ,成虫に比べ体は強固,体肢ともに扁平で,腹部背面に7対の葉状気管鰓があり,腹端に2~3本の尾がある。幼虫期間は1年以上に及ぶものがある。成熟した幼虫は水から出て水辺の石などに止り,脱皮して外見上成虫とほとんど同様の亜成虫になり,さらに1回脱皮して成虫になる。成虫は水辺の空中を急上昇と急降下を繰返す特徴的な飛び方をしながら群飛するのが多くみられるが,これは雄で,雌がこの群に飛込むとただちに雄が接近する。成虫,亜成虫とも夜間灯火に集る。幼虫は魚類などに食べられるので,釣餌に多く用いられる。世界に約 2100種,日本に約 100種が知られている。なお「…カゲロウ」と呼ばれる昆虫は,完全変態をする脈翅類にも数多くあり (ウスバカゲロウクサカゲロウなど) ,一般に混同されていることが多いが,短命で知られるものはカゲロウ目に属するものである。 (→昆虫類 )  

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