カシワバハグマ(読み)かしわばはぐま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カシワバハグマ」の意味・わかりやすい解説

カシワバハグマ
かしわばはぐま / 柏葉羽熊
[学] Pertya robusta (Maxim.) Makino

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は堅く、直立し高さ30~70センチメートル。葉は茎の中部にやや集まって互生し、卵状長楕円(ちょうだえん)形で、長さ10~20センチメートル。縁(へり)に欠刻(けっこく)状の鋸歯(きょし)がまばらにあり、カシワの葉に似る。9~11月、茎の上部に数個の頭花を穂状につける。総包葉は長さ17~27ミリメートル、内に10個ほどの小花がある。花床(かしょう)には小穴があり、小穴の縁に0.5~1ミリメートルの毛を密生する。痩果(そうか)は長さ10~11ミリメートル、無毛である。山地の乾いた木陰に生え、本州から九州にかけて分布する。なお、九州産のものは葉の幅が広く、頭花が有柄であるなどの点で異なり、変種ツクシカシワバハグマとよばれる。

[小山博滋 2022年2月18日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カシワバハグマ」の意味・わかりやすい解説

カシワバハグマ
Pertya robusta

キク科の多年草。本州,四国,九州の山地林内に生える。根茎は横にはい,茎は直立し高さ 30~50cm,硬く細くて分枝しない。葉は互生し約 10cmの葉柄がある。葉身は広卵形で先は鋭くとがり,基部は楔形,縁にまばらな欠刻状鋸歯があり,カシワ (柏)の葉に似ている。両面,縁とも有毛。夏から秋,茎頂に 10個内外の白色の頭花を穂状につける。総包は短い円柱形,総包片紫色を帯び革質で先端は丸く,鱗状に重なる。花床には剛毛があり,痩果は長さ約 1cm,冠毛は純白で美しい。

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