おもにミャンマーの山地に住む少数民族のひとつ。自称はジンポーJinghpawまたはチンポーChingpaw。中国では景頗族と呼ばれる。おもな居住地域は,ミャンマーのカチン州とシャン州の北部で,中国の雲南省やインドのアッサム州にも住む。言語的にはチベット・ビルマ語族に属し,豊富な接頭辞の体系をもつ。語順はビルマ語同様,主語-目的語-動詞の順に並ぶ。カチン族の中には,ジンポー族のほか,マル,ラシ,アツィなどの種族が含まれる。社会構造的には,世襲的首長(ドゥワ)が支配するグムサ社会と,住民によって首長が選出されるグムラオ社会とに分かれる。どの家庭にも祭壇があり,先祖の霊を祀っている。父系制社会で,子供たちは父方の姓を継ぐ。居住形態も夫方居住である。家督,祭祀,財産のすべてが,男の末子によって相続される。家屋は高床式で長方形をしている。おもな生業は農業で,平地では水田耕作,山地では焼畑耕作を行う。
執筆者:大野 徹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...