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らし ラシ

デジタル大辞泉の解説

らし[助動]

[助動][○|○|らし|らし(らしき)|らし|○]活用語の終止形、ラ変型活用語の連体形に付く。
客観的な根拠・理由に基づいて、ある事態を推量する意を表す。…らしい。…に違いない。
「もえわたる草木もあらぬはるべには山辺に急ぐ鹿ぞ踏むらし」〈宇津保・春日詣〉
根拠や理由は示されていないが、確信をもってある事態の原因・理由を推量する意を表す。…に違いない。
「水底(みなそこ)の月の上より漕ぐ舟の棹(さを)にさはるは桂なるらし」〈土佐
[補説]語源については「あ(有)るらし」「あ(有)らし」の音変化説などがある。奈良時代には盛んに用いられ、平安時代には1用法が和歌にみられるが、それ以後はしだいに衰えて、鎌倉時代には用いられなくなった。連体形已然形係り結びの用法のみで、また奈良時代には「こそ」の結びとして「らしき」が用いられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

らし

( 助動 ) ( ○ ・○ ・らし ・らし ・らし ・○ )
推量の助動詞。動詞および動詞型活用の助動詞の終止形に付く。ただし、ラ行変格活用の動詞およびラ変型活用の語には連体形に付く。
眼前の状況について、その原因である事情を推定する意を表す。 「ひさかたの天の香具山この夕ゆうべ霞たなびく春立つらしも/万葉集 1812」 「我が背子がかざしの萩に置く露をさやかに見よと月は照るらし/万葉集 2225
眼前にない事柄について推定する意を表す。 「古いにしえの七の賢さかしき人たちも欲りせしものは酒にしあるらし/万葉集 340」 「あしひきの山ほととぎす里なれてたそがれ時に名のりすらしも/拾遺 雑春」 〔 (1) 上代には、連体形に「らしき」があり、係助詞「こそ」の結びとして用いられている。「古いにしえも然しかにあれこそうつせみも妻を争ふらしき/万葉集 13」 (2) 連体形「らし」、已然形「らし」は、それぞれ、係り結びの結びの形としてのみ用いられている。「降る雪はかつぞ消らしあしひきの山のたぎつ瀬音まさるなり/古今 」「白雲のこのかたにしもおりゐるは天つ風こそ吹きて来つらし/大和 132」 (3) 上代では、上一段活用の動詞に付く場合、未然形または連用形とも見られる形に付く。「春日野に煙立つ見ゆ娘子おとめらし春野のうはぎ摘みて煮らしも/万葉集 1879」 (4) ラ変活用の動詞またはラ変型活用の語に付く場合、「あるらし→あらし」「寒かるらし→寒からし」などのように、連体形語尾「る」が省略されることがある。「武庫むこの海の庭良くあらしいざりする海人あまの釣舟波の上ゆ見ゆ/万葉集 3609」「秋の夜は露こそことに寒からし草むらごとに虫のわぶれば/古今 秋上」〕

らし

( 助動 ) ( らしから ・らしく(らしかり) ・らし ・らしき(らしかる) ・らしけれ ・○ )
〔近世以降、接尾語「らし」から派生して、助動詞として用いられるようになったもの。上代・中古に用いられた推量の助動詞「らし」とは直接の関係はないものと見られている〕
推量の助動詞。名詞や形容動詞の語幹、および動詞・形容詞の終止形に付く。断定的に推量する意を表す。…と思われる。…らしい。 「知行から、此比とられたらしき中間が封じ文出して、此上書ひとつお目かりましよといへば/浮世草子・好色盛衰記 5」 → らしい(助動)

らし

( 接尾 )

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

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