カナダモ(読み)かなだも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カナダモ」の意味・わかりやすい解説

カナダモ
かなだも / 加奈陀藻
[学] Elodea canadensis Michx.

トチカガミ科(APG分類:トチカガミ科)の沈水性多年生水草。クロモに似るが雌雄異株カナダモの仲間は世界中に広く移入しているものがある。日本の帰化種には、北アメリカ原産のコカナダモE. nuttallii (Planch.) St.Johnと南アメリカ原産のオオカナダモEgeria densa Planch.があり、2種とも雄株だけが移入している。茎は折れやすいが、再生力が強く、無性繁殖して日本各地の池や沼に分布。輪生葉はコカナダモは普通は3枚、長さ0.6~1.5センチメートル、オオカナダモは普通は4~5枚、長さ1~3センチメートル。コカナダモの雄花はクロモに似ていて、葉腋(ようえき)に単生、萼片(がくへん)3枚、雄しべ9本、包鞘(ほうしょう)から脱離して水面で花粉を出す。オオカナダモの雄花はトチカガミの雄花に似ていて、白色で包鞘から順次3個水面上に開く。

[大滝末男 2018年9月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カナダモ」の意味・わかりやすい解説

カナダモ
Elodea canadensis

トチカガミ科の水生多年草。日本では北アメリカから渡来したものが,淡水魚,熱帯魚の水槽の中で培養されている。逸出して野生化したものは比較的きれいな水域でときどき急増し,水流をせきとめてしまうこともある。長さ 40~60cmほどの茎に線形の葉が3枚ずつ輪生する。雌雄異株で,雌花は水面に浮び,雄花は水面下で葯 (やく) が開く。近縁種オオカナダモ E. densa魚類とともに水槽で培養される。

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