日本大百科全書(ニッポニカ) 「カムシン」の意味・わかりやすい解説 カムシンかむしんKhamsin 北アフリカおよびアラブ地方に吹く南東の乾熱風。風名はアラビア語の「50」に由来するが、この風は冬の終わりから春の初めにかけて吹き出したら50日以上も吹き続けるところから、このように名づけられた。この風が吹くと気温は38~48℃くらいまであがる。この風は、地中海上に高気圧があって、サハラやアフリカの地中海岸を低気圧が東進してくるときに吹く。リビアの海岸地方ではこの風をギブリGhibliというが、これは地中海のヨーロッパ側で吹くシロッコと同じ系統の風である。[根本順吉][参照項目] | シロッコ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カムシン」の意味・わかりやすい解説 カムシンkhamsin 局地風の一つで,エジプトの砂漠地方に吹く乾いた熱風。アルジェリア,シリア,アラビアの砂漠ではサムムと呼ばれている。いずれも塵埃や土砂を空中高く吹き上げ,気温は 50℃くらいまで上がる。このとき,地平線は砂塵のために見えなくなり,太陽は鉛色をしてほとんど陰影を生じない。イラクのバグダードでは 5月から 9月の終わり頃までが,エジプトでは 3月下旬から 5月上旬までが,それぞれ最も多くカムシンのみられる期間である。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報