日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラスザンショウ」の意味・わかりやすい解説
カラスザンショウ
からすざんしょう / 烏山椒
[学] Zanthoxylum ailanthoides Sieb. et Zucc.
ミカン科(APG分類:ミカン科)の落葉高木。高さ5~8メートル、枝に刺(とげ)が多い。葉は長楕円(ちょうだえん)状披針(ひしん)形、長さ5~10センチメートル、縁(へり)に鋸歯(きょし)があり、裏面は白緑色、もむとバニラの香りがある。奇数羽状複葉で、小葉は10対前後。雌雄異株。夏、円錐(えんすい)花序を頂生し、花は多数で小さく、淡緑色。萼片(がくへん)、花弁とも5枚。雄花は5本の雄しべ、雌花は3枚の心皮からなる1本の雌しべがある。蒴果(さくか)に辛味のある種子があり、これが名の由来とされる。本州から沖縄の暖地の林縁に生え、中国、朝鮮、フィリピンにも分布する。
[古澤潔夫 2020年10月16日]