キャラメル(読み)きゃらめる(英語表記)caramel

翻訳|caramel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キャラメル」の意味・わかりやすい解説

キャラメル
きゃらめる
caramel

ソフトキャンディー一種で、口あたりがドロップなどの飴(あめ)類よりもソフトでかみごたえがある。日本では、天文(てんぶん)年間(1532~55)に伝来した南蛮菓子カルメラ(かるめ焼き)に、その祖型をみることができるが、一般の菓子としてつくられたのは明治になってからである。すなわち、森永太一郎(たいちろう)(1865―1937)がアメリカで製菓技術を研究し、帰国後森永製菓を設立し、1899年(明治32)新しい製法キャラメルの製造を始めた。初めは紙包装のばら売りで、紙の箱に入ったものは1918年(大正7)に同じく森永製菓でつくられた。

河野友美・山口米子]

種類

代表的なものがミルクキャラメルで、バターを加え、ミルクやバニラ香料を用いる。そのほか、チョコレート、コーヒー、フルーツやナッツヨーグルトなどの香りや味など加えたものによって、それぞれその表現するものの名前がつけられている。キャラメルを固く煮つめたものはタフィーtaffyといい、またキャラメルより砂糖が多く、粘り気が少なく、滑らかで柔らかいものをファッジfudgeという。

[河野友美・山口米子]

製法

一般的な作り方は、砂糖、水飴練乳油脂類などの原料をよく混合し、蒸気式の煮釜(にがま)で加熱し118~125℃ぐらいまで煮つめる。これに香料を加えて攪拌(かくはん)し、冷却盤に流してよく冷やし、ローラーにかけて一定の厚さの板状あるいは紐(ひも)状にする。切断機を通して切断し、これをワックスペーパーに包み、ケースに入れる。

[河野友美・山口米子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キャラメル」の意味・わかりやすい解説

キャラメル
caramel

キャンディーの一種。砂糖,水飴,牛乳,バター,油脂,小麦粉,レシチン,香料,食塩などを配合調整して煮つめたもの。これらの原料にカカオペーストを加えたチョコレートキャラメル,ココアを加えたココアキャラメル,コーヒーの浸出液を加えたコーヒーキャラメル,バターを多量に配合したバターキャラメル,ピーナッツ,アーモンドなどのペーストあるいは粉砕物を加えてそれぞれの名前を冠した堅果キャラメルなどその種類は多い。一般的な製法はバターと香料を除いた他の原料を釜に入れ,よく攪拌しながら 120℃前後で煮つめ,これにバターと香料を加えて冷却盤に流し,50~60℃に冷却後一定の厚さとし,適当な大きさに切って製品とする。 16世紀後半に,ポルトガルから伝えられた南蛮菓子カルメラにヒントを得て,明治年間に日本でつくられた。

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