翻訳|candy
砂糖、水飴(みずあめ)を主原料としてつくった菓子の総称。キャラメル、ドロップ、ゼリー、掛け物(ナッツなどを糖類でくるんだもの)などが含まれる。英語のキャンディーの意味は、アメリカでは砂糖を主材にした菓子の総称であるが、イギリスでは砂糖系の製品のみであり、範囲が狭い。使用する原料は種々あるが、砂糖、水飴のほか、寒天、牛乳、バター、ゼラチン、香料、着色料、ピーナッツ、アンズ、アーモンドなども加えられる。
[河野友美・山口米子]
紀元前2000年ごろエジプトで菓子がつくられたが、当時は果実などを蜂蜜(はちみつ)と練り合わせ、甘い菓子としていた。その後、練り合わせたものに固さをつけるため穀粉を用い、またチーズで風味を加えるなどもした。中世にはヨーロッパでも砂糖はまだぜいたく品とされ、薬を飲むときや味を消すために砂糖や蜂蜜を使う習慣があり、その後しだいにキャンディーとして発達していった。
[河野友美・山口米子]
キャンディー類の分類は、種類が多く複雑なため困難であるが、糖液を煮つめる温度により分類すれば、次の三つに大別できる。
(1)高温(150~165℃)で加熱するもの ドロップ、タフィー、ブリットル、クランチなど。口あたりが固いので、ハードキャンディーhard candyという。
(2)低温(110~140℃)で加熱するもの キャラメル、フォンダン、ヌガー、バタースカッチ、ゼリー、マシュマロ、ウイスキーボンボンなど。ハードキャンディーに対して食感が柔らかいところから、ソフトキャンディーsoft candyという。
(3)あまり加熱しないもの 掛け物、錠菓(錠剤のように圧縮成型し打ち抜いたキャンディー)、乾燥物など。
一般にキャンディーの材料には水飴を使用するが、これは、キャンディー中の砂糖の再結晶を防止する、キャンディーに適度の粘度を与える、光沢をよくする、風味をよくするなどという点がおもな目的である。しかし、製品の吸湿性が増加し、また製品の甘味が少なくなるので、その使用量は心要最小限度にとどめられている。
[河野友美・山口米子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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