インド半島北東部,オリッサ海岸地方の古称。古い文献に見える名で,アショーカがこの国を征服し,その戦争の悲惨さを痛悔して,ダルマ(法)にもとづく政治に転換したという事件が有名である。この地方の中心はブバネーシュワルの東郊シシュパルガルフSisupalgarhと思われ,ここには前3世紀から後4世紀までの遺跡があり,前3世紀に周囲1kmに及ぶ城塞に囲まれた都市が建設された。前1世紀にはカーラベーラ王Khāravelaが現れ,南方を征略したあと,ガンジス流域に進出して大勢力となった。王はジャイナ教を信奉して,ナンダ朝が持ち去った聖物を取り返したといい,また領内には貯水池をつくるなど公共事業をおこなった。その後この地方には小王朝がつぎつぎに盛衰し,ベンガルの王朝の侵入を受けたこともあったが,独自の文化を発達させ,ヒンドゥー教ばかりでなく,ジャイナ教も長く拠点をもった。
執筆者:山崎 利男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…両山地は森林で覆われ,チークなどの有用材を産するとともにゴンド,ブーイヤなどのアウストロアジア語系の少数民族の居住地となっている。 海岸平野一帯は古くカリンガとよばれ,前261年にマウリヤ朝のアショーカ王によって征服された。このときの戦争の悲惨さが同王を仏教に帰依させたといわれる。…
※「カリンガ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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