日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルミア」の意味・わかりやすい解説
カルミア
かるみあ
kalmia
American laurel
[学] Kalmia latifolia L.
ツツジ科(APG分類:ツツジ科)の常緑低木または小高木。葉は互生し、長楕円(ちょうだえん)形ないし楕円状披針形、長さ5~10センチメートルで両端がとがり、縁(へり)に鋸歯(きょし)がない。葉は厚い革質でシャクナゲの葉に似ており、アメリカシャクナゲといわれる。5月ごろ、枝頂に大きな散房花序をつけ、絵日傘のような杯(さかずき)状をした径1.5~2センチメートルの淡白紅色の花を開くので、ハナガサシャクナゲともよばれる。花冠は浅く5裂して内面に紫斑(しはん)があり、雄しべは10本ある。果実は粘毛のある小球形の蒴果(さくか)で、多数の種子がある。北アメリカ東部原産で、半日陰でも日当りのよい場所でも育つが、適湿な肥沃(ひよく)地を好むので乾燥地は避け、庭木、鉢植えにする。繁殖は実生(みしょう)、取木、接木(つぎき)による。園芸品種に花の外側が赤く内側が淡紅色のオスボレッド、近年現れた花が濃桃色のクレメンタイン・チャーチルなどがある。カルミア属には7種あり、日本ではこのほかナガバカルミア(ホソバカルミア)K. angustifolia L.がまれに栽培される。
[小林義雄 2021年4月16日]