翻訳|guarana
ムクロジ科のつる植物。原産地はブラジルのアマゾン川流域地方で,ブラジルで栽培が多い。葉は5小葉からなる複葉で,長い柄があって互生する。葉腋(ようえき)から花軸を出し,穂状に花をつける。花期は7~8月で,3ヵ月後に紡錘形の果実が熟す。種子は球形で表面に光沢があり,直径約8mm,コーヒーの約3倍(4.3%)のカフェインを含む。果実を採って積み上げて発酵させ,種子を取り出し,粉にしてカカオまたはキャッサバデンプンとともに水で練って,長さ15cm,直径3cmほどの棒状にし燻煙乾燥すると,褐色になりひじょうに硬くなる。これを削って,湯または水に溶かして飲用する。興奮性飲料となり,強精・催淫の効があるという。水製エキスをガラナ茶という。ブラジルおよび熱帯アメリカでは清涼飲料として広く用いられる。ブラジルではアマゾンのチョウザメの1種の舌を使ってすりおろし,熱湯を注いで飲む習慣がある。日本へは大正時代(1912-26)に製品が渡来した。
執筆者:星川 清親
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ムクロジ科(APG分類:ムクロジ科)の藤本(とうほん)。ブラジルのアマゾン川流域原産。葉は5小葉からなる羽状複葉で、長い葉柄で互生する。葉腋(ようえき)から花軸を出し、穂状に花をつける。花期は7~8月で、3か月後に果実が熟す。種子は球形、褐色で表面は光沢があり、径は1センチメートル弱。種子にコーヒーの約3倍(4.3%)のカフェインを含む。果実を積み上げて発酵させて種子を取り出し、炒(い)って粉にして、カカオまたはタピオカデンプンとともに水で練ってソーセージほどの円筒形にし、薫煙乾燥すると、赤褐色できわめて固くなる。これが製品のガラナで、カフェインは5%、そのほかパウリニア・タンニン8.5%などを含み、飲用、薬用にする。
[星川清親 2020年9月17日]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新