ガリウム銅鉱(読み)がりうむどうこう(英語表記)gallite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガリウム銅鉱」の意味・わかりやすい解説

ガリウム銅鉱
がりうむどうこう
gallite

ガリウムGa)を主成分とする硫化鉱物の一つ。1958年ガリウムの最初の独立鉱物としてナミビアのツメブTsumeb鉱山から記載された。黄銅鉱の鉄(Fe)のGa置換体に相当し、黄銅鉱系に属する。自形未報告。深熱水性多金属鉱床の一部に産し、複雑な共存関係を構成する。日本では産出はまだ報告されていない。

 共存鉱物は斑(はん)銅鉱、輝銅鉱、方輝銅鉱、閃(せん)亜鉛鉱、黄鉄鉱、方鉛鉱、レニエル鉱reniérite(化学式(Cu,Zn)11Fe4(Ge,As)2S16)、ゲルマン鉱など。同定は、肉眼的な性質が得られるほど大きな独立粒が未発見なので記載されていない。命名は元素ガリウムの存在にちなむ。

加藤 昭 2016年3月18日]


ガリウム銅鉱(データノート)
がりうむどうこうでーたのーと

ガリウム銅鉱
英名gallite
化学式CuGaS2
少量成分Zn,Fe,Ge
結晶系正方
硬度3~3.5
比重4.35
灰黒
光沢金属
条痕灰黒
劈開無(「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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