日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガロン」の意味・わかりやすい解説
ガロン
がろん
gallon
ヤード・ポンド法の体積単位で、また基本単位。galで表す。イギリスとアメリカとでは大きく異なり、イギリスのガロン(英ガロン)は277.42立方インチ、4.54609リットル。アメリカのガロン(米ガロン)は231立方インチ、3.785412リットルである。イギリスは1824年、法律によってガロンを62(華氏62度)のときの水10ポンドの体積と決め、ほかのガロンを禁止した。しかし、それ以後も市中には酒用としてこれより小さい231立方インチの酒用ガロン(ワインガロン)が流通しており、アン女王(在位1702~1714)のとき公認されたこの酒用ガロンが使われていた。アメリカ大陸に渡ったイギリス人たちはこちらを常用とし現在に至っている。現在の英ガロンは1963年のイギリスの度量衡法により「0.001217グラム毎ミリリットルの密度をもつ空気中で、8.136グラム毎ミリリットルの密度をもつ10ポンドの分銅とつり合う0.998859グラム毎ミリリットルの水の体積」と定義されている。日本では主として米ガロンが使われている。ガロンの名はラテン語でgatelaという一種の酒の容器からきたといわれる。
[小泉袈裟勝]