キベリタテハ(読み)きべりたては(英語表記)camberwell beauty

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キベリタテハ」の意味・わかりやすい解説

キベリタテハ
きべりたては / 黄縁蛺蝶
camberwell beauty
morning cloak
[学] Nymphalis antiopa

昆虫綱鱗翅(りんし)目タテハチョウ科に属するチョウ。ヨーロッパより東アジア北部にわたりユーラシアの北部に広く分布、北アメリカにも産する。日本では北海道と本州中部地方以北の山岳地帯に分布する。はねの開張70ミリメートル内外。はねの表面は黒褐色で、外縁は前ばね、後ろばねともやや幅広く黄色を呈し、きわめて特徴のあるチョウで、これに似たチョウは世界的にみてもほかにない。和名キベリタテハはこの特徴に由来する。しかし、越冬して色あせたものは黄縁が白縁となる。年1回の発生で、成虫の出現は遅く8月が羽化の最盛期、晩夏より秋にかけての登山では本種の姿をみることが多い。食草はカバノキ科ダケカンバウダイカンバシラカバヤナギ科オオバヤナギ、バッコヤナギ、ドロノキなどである。

白水 隆]


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