キュー王立植物園(読み)キューオウリツショクブツエン(その他表記)the Royal Botanic Gardens, Kew

デジタル大辞泉 「キュー王立植物園」の意味・読み・例文・類語

キュー‐おうりつしょくぶつえん〔‐ワウリツシヨクブツヱン〕【キュー王立植物園】

Kewロンドン南西郊外、テムズ川南岸にある植物園。18世紀に作られた庭園起源とし、1841年に王立植物園として開園。広さは121万平方メートルと広大なもので、国益と学術研究のために世界各地の植物が集められ、その数は約3万種といわれている。また、キューパレスやパームハウス(大温室)など、建築学的にも貴重な建物が残されている。2003年に、世界遺産文化遺産)に登録された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュー王立植物園」の意味・わかりやすい解説

キュー王立植物園
きゅーおうりつしょくぶつえん
the Royal Botanic Gardens, Kew
Kew Gardens

イギリスにある世界有数の植物園。ロンドン郊外のテムズ川沿いのキュー地区にある。面積120ヘクタール。1759年にジョージ3世の母オーガスタ皇太妃が設けた植物園が起源で、1841年に王立植物園となった。初代と次代園長を務めたフッカー父子は、植物園の主たる任務が植物分類学など植物についての基礎的研究にあることを強調し、生きた植物の収集だけでなく、植物標本館や図書館の充実に努力し、文字どおり世界の植物学研究のセンターになった。園内には2万5000種の植物が栽培され、76棟の温室があり、パームハウスは有名。ほかに低温室、バラ園、ヒースガーデン、竹園などの庭や建物がある。標本館は700万点以上の標本を収蔵し、園内のジョドレル研究所を含めて75名の研究スタッフを擁する。世界各国からの客員研究員も常時多数滞在している。ここで編集される『インデックス・キューエンシス』は世界の植物学名集覧で、5年ごとに補遺を出している。園内は一般に公開され、愛好家や一般市民を対象とした各種の啓蒙(けいもう)活動も盛んである。

 なお、エジンバラにはエジンバラ王立植物園がある。1670年にできた薬草園が始まりで1889年に王立となった。面積は約25ヘクタールで、1万5000種の植物が栽培され、とくにシャクナゲとツツジのコレクションが有名。キュー植物園同様に基礎植物学の研究が主要な任務で、充実した標本館をもち、独自の研究組織をもつほか、エジンバラ大学と一体となって大学院の研究指導なども行っている。

[大場秀章]

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世界遺産詳解 「キュー王立植物園」の解説

キューおうりつしょくぶつえん【キュー王立植物園】

2003年に登録されたイギリスの世界遺産(文化遺産)で、ロンドンの南西、グレーター・ロンドン州リッチモンドのテムズ川南岸に位置する。1759年に宮殿に併設の庭園として開設、面積は約132万m2。18世紀後半以降、植物の収集や研究に重要な役割を果たしてきた。4万種以上にも及ぶ多様な植物、豊富な文献のほか、建築学的にも重要な温室などの建物が残ある。◇英名はRoyal Botanic Gardens, Kew

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キュー王立植物園」の意味・わかりやすい解説

キュー王立植物園
キューおうりつしょくぶつえん

「キューガーデン」のページをご覧ください。

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