イラク北部の油田地帯に位置する。歴史的に少数民族クルド人が多数を占めてきた地域だが、旧フセイン政権による政策で多数のアラブ人が移住、民族構成が変わったとされる。クルド人自治区の外側にあるが、過激派組織「イスラム国」(IS)台頭時にイラク軍が逃走し、クルド側が2014年6月に掌握した。自治政府は今年9月、独立住民投票をキルクークでも実施し、イラク中央政府が反発を強めた。(カイロ共同)
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イラクの都市。バグダード北方約280km,クルディスターンの山地にさしかかるところにあり,少なくとも新バビロニア時代以来の歴史をもつ。人口60万(2003)。周囲は比較的雨に恵まれた天水農業地帯で,キルクーク油田の所在地。付近にバイ・ハサン油田,ジャンブル油田があり,原油はパイプラインで地中海とペルシア湾に送られている。人口が急増しつつあり,外国人の訪問客も多い。
執筆者:冨岡 倍雄
イラク北西部の山岳地域は大昔から油・ガス徴が豊富であることで有名であった。1927年,トルコ石油会社(後のイラク石油会社)はキルクーク背部の一部のババBabaドームで試掘を行ったところ,油ガスの大暴噴が起こったのが本油田発見の端緒となった。34年には地中海までのパイプラインが完成し,生産が開始された。この背斜構造は北西~南東方向の全長約96km,幅最大6kmの長大なものである。主要油層は古第三紀の始新世~漸新世に属する石灰岩で,性状はイランのアスマリ石灰岩と類似している。油質は比重36~44°API,硫黄分1.95~2.34%であるが,H2S分が高い(7000ppm)のが特徴である。
執筆者:加藤 正和
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イラク北東部の都市。タミン州At-Ta'minの州都。人口41万8624(1987センサス)、75万5700(2003推計)。クルディスターン地方の経済の中心地で、今日では石油都市として知られる。古くからクルド人の居住する周辺農牧地帯で、小麦、大麦、果実、ヒツジなどが生産され、その集散地であった。とくにこの地方の羊毛は有名である。1927年、付近にキルクーク油田が発見されて以来、石油開発と工業化の拠点として急速に発展した。イラク原油の大部分がここで産出され、パイプラインでトラブルース(レバノン)やバニャース(シリア)など地中海の港へ輸送される。郊外のババ・グルグルに精油所が建設されたほか、紡績、羊毛工場なども増えている。鉄道が通りバグダードと結んでいる。都市の周囲には古代都市の遺跡が散在している。
[原 隆一]
(高橋和夫 放送大学助教授 / 2007年)
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