クイックサンド(その他表記)quicksand

翻訳|quicksand

デジタル大辞泉 「クイックサンド」の意味・読み・例文・類語

クイックサンド(quicksand)

砂質土砂が、浸透水の上昇流によって液体様の状態になる現象。また、その土砂。流砂現象。→液状化

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「クイックサンド」の意味・読み・例文・類語

クイック‐サンド

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] quicksand ) 砂質の土砂が上方に向かう浸透水の圧力によって液化すること。また、そのような状態の土砂。地震などが原因で起こる。流砂

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「クイックサンド」の意味・わかりやすい解説

クイックサンド
quicksand

砂が浸透水の上昇流の影響で液体に似た状態となる現象。地下深く掘削する工事のとき,矢板などで周囲の地下水を遮断しながら掘削個所だけを排水しつつ掘り進むと,周りの地下水の圧力で掘削底面から地下水が上昇流として勢いよく出てくるようになり,そのとき,掘削底面の砂がクイックサンド状態となって,事故を起こす原因となることがある。それを防ぐためには,周辺の地下水もある程度排水して,掘削底面からの浸透水の勢いを下げればよい。地震時に,水で飽和した緩い砂が液状化することもよく知られており,1964年の新潟地震のときにその現象が見られた。すなわち,新潟市の緩い砂地盤が地震で揺すられたとき,砂の間隙を満たしていた水が砂粒子の間を勢いよく地上へ押し出されながら砂を液状化したため,地中マンホールは地上へ浮き上がり,地上の建物は傾いたり倒れたりした。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クイックサンド」の意味・わかりやすい解説

クイックサンド
くいっくさんど
quicksand

粒径の細かい砂が、上向きの浸透流を受けて沸き立った液体のような状態になること。水流の圧力の強さがある限度以上になったときに生ずるが、この限度は砂の比重と締まりぐあいによって異なる。クイックサンド現象がおこると、地盤は支持力を失って不安定になる。地震時に砂地盤に生ずる液状化破壊も、地震による一時的な地下水圧の上昇によるもので、1964年(昭和39)新潟地震の際などに広範囲にわたって発生した。

[赤井浩一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「クイックサンド」の意味・わかりやすい解説

クイックサンド

浸透水の上昇流の影響によって砂が液体に似た状態になる現象。掘削工事で掘削部分だけを排水しながら深く掘り進んだ場合のほか,地震によって,砂の間隙を満たしていた水が砂の粒子の間を地上へ向かって押し出されるときに生じることがある。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android