日本大百科全書(ニッポニカ) 「クズネツォフ」の意味・わかりやすい解説
クズネツォフ(Anatoliy Vasil'evich Kuznetsov)
くずねつぉふ
Анатолий Васильевич Кузнецов/Anatoliy Vasil'evich Kuznetsov
(1929―1979)
ソ連の小説家。少年時代から働きながら小説を書き、1960年にゴーリキー文学大学を卒業。スターリン批判後に進出した作家たちの代表者の一人で、『伝説のつづき』(1965)など一連の社会的、倫理的テーマによる作品で有名となる。とりわけ、第二次世界大戦中の体験を基とし、キエフ(現、キーウ)におけるナチス・ドイツの暴虐を描いた『バービイ・ヤール』(1966)は世界的に好評を博した。1969年7月、レーニンの伝記的小説を書くための資料を集めると称してロンドンに赴き、そのまま亡命した。
[草鹿外吉]
『草鹿外吉訳『バービイ・ヤール』(1967・大光社)』
クズネツォフ(Nikolay Gerasimovich Kuznetsov)
くずねつぉふ
Николай Герасимович Кузнецов/Nikolay Gerasimovich Kuznetsov
(1902―1974)
ソ連の軍人。内戦期(1919)に赤色海軍入隊。海軍兵学校、海軍大学卒業。黒海艦隊の巡洋艦艦長を経て、1936~1937年、海軍武官、海軍顧問としてスペイン内戦に参加。1937~1939年太平洋艦隊司令長官第一代理、同長官。第二次世界大戦中はソ連海軍人民委員と海軍総司令官を兼任(1939~1946)する。1942年に元帥となるが、1947年スターリンによって中将に降格、1951年ふたたび海相に復帰。1953~1956年国防大臣第一代理兼海軍総司令官。1956年2月、海軍増強問題などでフルシチョフと対立、解任された。
[藤本和貴夫]