クマタケラン(読み)くまたけらん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クマタケラン」の意味・わかりやすい解説

クマタケラン
くまたけらん / 熊竹蘭
[学] Alpinia formosana K.Schum.

ショウガ科(APG分類:ショウガ科)の多年草。茎は高さ1、2メートル、葉は数枚、葉身は無毛で表面に光沢があり、長さ50~70センチメートル、幅8~12センチメートル、基部は長い鞘(さや)に続く。包葉は長さ1~1.5センチメートル。花期は7、8月で、花序は総状で直立し、無毛。花は長さ2.5~3センチメートル、白色唇弁内側紅斑(こうはん)がある。暖地の林下または林縁に群生する。九州南部、沖縄台湾に自生し、栽培もされる。アオノクマタケランA. intermedia Gagnep. はこれより小さく、包葉は長さ5~7ミリメートル、花は長さ2センチメートルで唇弁に紅斑がない。伊豆諸島紀伊半島四国、九州に自生し、中国にも分布する。

[清水建美 2019年6月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クマタケラン」の意味・わかりやすい解説

クマタケラン(熊竹蘭)
クマタケラン
Alpinia formosana

ショウガ科の多年草。九州南部,沖縄,台湾の山地丘陵地に自生する。高さ1~2m。葉は長楕円状披針形で長さ 40~60cmあり,多数平行脈が斜めに走っている。7月頃,茎頂に総状円錐花序をつけ,白色の筒形花を多数生じる。小笠原諸島には近縁の別種シマクマタケランがある。

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世界大百科事典(旧版)内のクマタケランの言及

【ハナミョウガ(花茗荷)】より

…また中国では果実や種子を土砂仁,全草は山姜(さんきよう)といい薬用にする。よく似ているクマタケランA.kumatake MakinoやアオノクマタケランA.chinensis Rosc.も西南日本の暖地林床に分布し,ときには観賞用に栽植されることがある。ハナミョウガ属Alpiniaのうちゲットウのように大型のきれいな花をつける種は,熱帯域や温室で観賞用に広く栽植されている。…

※「クマタケラン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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