クリストフ

百科事典マイペディア 「クリストフ」の意味・わかりやすい解説

クリストフ

ハンガリー生れ。1956年ハンガリー事件の際に西側に亡命以来,スイスに住む。自作の詩を同人誌に発表したり,劇団のために戯曲を書いていたが,フランス語で書かれた処女作《悪童日記》(1986年)が評判になり,世界10数ヵ国で翻訳される。双子の少年たちが戦火を生き抜く様を抑制のきいた筆致で淡々と綴っている。この恐るべき子供たちは,生き延びるためにはいかなる悪も辞さないという一貫したモラルに貫かれている。同作品は1989年にはモントリオール芝居としても成功をおさめ,ジュネーブでは仏語圏文学賞も受賞している。その他には,《ふたりの証拠》(1988年),《第三の嘘》(1991年),《昨日》(1995年)を発表している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリストフ」の意味・わかりやすい解説

クリストフ
Christophe, Henri

[生]1767.10.6. 西インド諸島グレナダ
[没]1820.10.8.
ハイチ北部の王 (在位 1806~20) 。奴隷として生れ,1791年以来ハイチ独立戦争で軍人としてフランスと戦う。 1802年フランスが再びハイチを植民地にするとこれと戦って敗退させ,11年以降はエンリケ1世の名で王となり北部ハイチを支配した。治世中,農業および貿易の振興をはかるため,農民武力により強制的に働かせたり,大宮殿を築くなど専制政治を行なった。 20年脳卒中に襲われ,その後自殺。その後王国ハイチ共和国の一部となった。

クリストフ
Christoph, Herzog von Würtemberg

[生]1515.5.12. ウラッハ
[没]1568.12.28. シュツットガルト
ウュルテンベルク公国領主。公国は南西ドイツのシュワーベン地方に形成された中規模の領邦である。 M.ルターの改革に呼応して,プロテスタント系の教育制度をつくった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリストフ」の意味・わかりやすい解説

クリストフ
くりすとふ
Boris Christoff
(1919―1993)

ブルガリアのバス歌手。ソフィア大学で法律を学んだのち、ローマ、ザルツブルクで声楽を学び、1946年ローマでデビュー。ムソルグスキーの『ボリス・ゴドゥノフ』のピーメンやボリスで名声を獲得、各地の歌劇場でロシア・オペラを歌い、シャリアピンの後継者と目された。ほかにベルディ作品の歌唱にも優れ、繊細さと柔軟性に富んだ声、演技に対する鋭い感覚には定評がある。

[美山良夫]

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