グリーナウェー(その他表記)Kate Greenaway

改訂新版 世界大百科事典 「グリーナウェー」の意味・わかりやすい解説

グリーナウェー
Kate Greenaway
生没年:1846-1901

イギリスの絵本作家。父は有名な彩色木版製作者エバンズ E.Evansと親しい木版作家だった。10代で早くも画才を発揮し,自作の絵と文章で構成した愛らしい絵本《窓の下で》(1878)をエバンズの製作で刊行,初版10万部を売りつくすベストセラーとなった。彼女の彩色挿絵に描かれる少女たちは,フリルリボンに飾られた服とボンネットを着けていたため,この18世紀末の上品な子ども服が彼女の絵本とともに大流行したという。その後も《ケート誕生日の本》(1880)などを世に出し,1883年から97年にかけては,96年を除いて毎年《年刊暦Almanacs》を刊行,子どもにも大人にも大いに愛された。質素だが優美なビクトリア朝期の田園生活を最も忠実に描いた絵本作家といえるが,一方,水彩画家としてはラファエル前派の影響を受け,ラスキン賞賛奨励を得た。
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百科事典マイペディア 「グリーナウェー」の意味・わかりやすい解説

グリーナウェー

英国の映画監督。ロンドン生れ。画家を志し,1964年に初個展を開くが,ベルイマンの《第七の封印》を観て映画に転向。1965年より11年間,中央情報局でドキュメンタリーの編集に携わるかたわら,実験映画を制作。《The Falls》(1980年)で英アカデミー作品賞を受賞。《英国式庭園殺人事件》(1982年)以降劇場用映画に転じ,《ZOO》(1985年),《建築家の腹》(1987年),《数に溺れて》(1988年)などを発表,芸術全般にわたる該博な知識を背景とした絢爛かつ理知的な映像で評価を得る。ほかに《コック泥棒,その妻と愛人》(1989年),シェークスピアの《テンペスト》を映像化した《プロスペローの本》(1991年),《ベイビー・オブ・マコン》(1993年),《ピーター・グリーナウェーの枕草子》(1996年)などがある。美術展の企画・構成も手がけている。

グリーナウェー

英国の女性絵本作家。ロンドン生れ。19世紀後半の英国絵本界を代表する。ベストセラーとなった《窓の下で》(1878年)や《ケートの誕生日の本》(1880年)などで子どもの生活を描いた。英国の児童文学賞グリーナウェー・メダルは彼女にちなんだもの。

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