グレシック(その他表記)Gresik

改訂新版 世界大百科事典 「グレシック」の意味・わかりやすい解説

グレシック
Gresik

インドネシア,ジャワ島東部,マドゥラ海峡に臨む港市。グリッセGriseとも呼ぶ。中国の史書には革児昔と記され,古来東西貿易の良港として知られた。馬歓の《瀛涯勝覧(えいがいしようらん)》によれば,ここはもと砂州であったが,中国人が住み着いて新村と名づけられ,当時も村長はまだ広東人であり,家は1000軒以上あると記されている。その土地に産する米とモルッカ諸島の香料との交易で栄え,17世紀初頭まではジャワ最大の港であった。オランダ東インド会社が1603年にここに商館を置いたが,13年には中部ジャワに興ったマタラムイスラム王国の攻撃を受けて,この港もマタラム領となったため,会社は商館を閉鎖して退いた。その上,会社は21年にニクズクの産地バンダ諸島を,また23年にはチョウジの産地アンボン島を制圧して,香料貿易に直接乗り出したので,グレシックは衰退した。同地のマリク・イブラヒムの墓は,初期イスラム教徒の例として知られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グレシック」の意味・わかりやすい解説

グレシック
Gresik

インドネシア,ジャワ島東部,ジャワティムール州港町スラバヤ北西約 20kmにあり,アラス海峡をへだててマドゥラ島を望む。かつてマジャパイト王国門戸として繁栄。ジャワに初めてイスラムを布教したマリク・イブラヒムの墓があることで有名漁業が盛ん。セメント工場があり,石油化学鉄鋼などの工業都市として発展している。人口6万 3173 (1980) 。

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