ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グールド」の意味・わかりやすい解説
グールド
Gould, Stephen Jay
[没]2002.5.20. ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国の古生物学者,進化生物学者,著述家。『ナチュラル・ヒストリー』誌に「生命についての考察」と題するエッセーを 1974年から 2001年まで連載した。1972年ナイルズ・エルドレジとともに断続平衡説を発表。種の進化は長く安定した期間と急激な種分化と形態変化を断続的にもたらすと主張,チャールズ・R.ダーウィン以来の進化論に異を唱えた。1963年にアンティオーク大学で地質学学士号を,1967年にコロンビア大学で古生物学博士号を取得。1973年にハーバード大学教授となる。著書に『個体発生と系統発生』Ontogeny and Phylogeny(1977),『パンダの親指』The Panda's Thumb(1980),『人間の測りまちがい』The Mismeasure of Man(1981),"The Structure of Evolutionary Theory"(2002)など多数。1983年全米芸術科学アカデミー会員,1989年全米科学アカデミー会員となった。
グールド
Gould, Benjamin Apthorp
[没]1896.11.26. マサチューセッツ,ケンブリッジ
アメリカの天文学者。ハーバード大学卒業 (1844) 。合衆国沿岸調査委員会の経度部門の責任者 (52) ,オールバニ天文台台長 (55~59) 。 1866年海底電信によりアメリカ,ヨーロッパの2地点での太陽位置の同時観測の結果を比較し,両地点の経度差を決定。 68年アルゼンチンに招かれ,国立コルドバ天文台を創設,初代台長となって南天の星表作成に尽力した (84完成) 。また4等星より明るい恒星が銀河面に対し約 20度傾いた狭い帯 (グールド・ベルト) に沿って分布していることを明らかにし,局部恒星系の構造解明に貢献した (79) 。主著『アルゼンチン天体図』 Uranometria Argentina (79) 。
グールド
Gould, Glenn
[没]1982.10.4. トロント
カナダのピアニスト。 A.グェーロにピアノを学び,1955年デビュー。即興演奏にすぐれ,作曲家としても知られる。テンポやデュナーミクなど,まったく新しい現代的解釈を古典に持込んで話題を呼んだ。 64年以降コンサート活動を退いて録音のみに専心。
グールド
Gould, Jay(Jason)
[没]1892.12.2. ニューヨーク
アメリカの鉄道事業経営者,金融資本家。地金,株式などの投機で巨利を博した。 1863年サラトガ鉄道の支配人,68年イーリ鉄道の社長。南西部諸州の鉄道に投資してグールド組織をつくり,ウェスタン・ユニオン電信会社,ニューヨーク高架鉄道にも投資した。
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