けがき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「けがき」の意味・わかりやすい解説

けがき
けがき / 罫書

加工すべき外形形状およびその寸法、あるいは穴の形状・寸法そしてその位置を示すために、工作物上に直線、円、中心を描く作業。一般的なけがき工具には、けがき針、トースカンハイトゲージ、Vブロック、定盤(じょうばん)、金ます、コンパスハンマーポンチなどがある。けがき線を引く前に、線を見やすくするために塗料を塗る。黒皮(鋳物や鍛造したままの面)には、胡粉(ごふん)やチョーク白墨)を使う。ただし仕上げ面に胡粉を使うと、それに含まれている水分のためさびの原因になるので、青タケが多く使われる。最近では、乾きが早く簡単に落ちない油性マジックインキが使われることもある。

[清水伸二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「けがき」の意味・わかりやすい解説

けがき
marking-off

罫書。製作図面に従って,工作物の表面に加工基準となる線や穴位置などを描く作業。通常,定盤上に工作物を置き,その表面に青色のけがき塗料を塗り,先端がちょっと折れ曲った硬い針状の棒 (けがき針 scriber) で塗料をひっかいて線を描く。けがき針を底面平滑スタンドに高さが任意に変えられるようにねじ止めした手工具をトースカン (等視桿より転訛したといわれる) といい,定盤の上をスタンドとともに滑らせて作業する。このほか,Vブロック,スケール台,ポンチ,ハンマ,コンパスなどの道具を用いる。

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