白墨(読み)ハクボク

デジタル大辞泉 「白墨」の意味・読み・例文・類語

はく‐ぼく【白墨】

白亜焼き石膏せっこう粉末を水で練って棒状に固めたもの。白色であるが、顔料を加えた赤・黄色などもある。黒板などに書くのに使用チョーク

しら‐ずみ【白墨】

しろずみ」に同じ。

しろ‐ずみ【白墨】

胡粉ごふんを練り固めて作った白色の絵の具。しらずみ。

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精選版 日本国語大辞典 「白墨」の意味・読み・例文・類語

はく‐ぼく【白墨】

〘名〙
高温度で粉末にした焼石膏を水で練って棒状に固めたもの。黒板などに文字や図などを書くのに用いる。色をつけるため顔料を加えたものもある。チョーク。
※日本読本(1887)〈新保磐次〉四「蛤、あさり、蜆等の殻も亦焼きて胡粉となし、或は白墨となす」
② =はくあ(白亜)①〔工学字彙(1886)〕

しろ‐ずみ【白墨】

〘名〙 白色の絵の具。胡粉(ごふん)を練り固めたもの。しらずみ。はくぼく。
歌舞伎・いとなみ六方(1674頃)「しろずみ わずみごふんずみ」

しら‐ずみ【白墨】

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改訂新版 世界大百科事典 「白墨」の意味・わかりやすい解説

白墨 (はくぼく)

黒板などに筆記する用具。チョークともいう。天然にチョーク(白亜)として産する炭酸カルシウムを原料とするものと,石膏せつこう)を原料とするものがある。1873年フランスから輸入された石膏チョークをもとに大阪の杉本卯之助が製法の研究を始め,2年後には中国産の石膏原石を焼石膏にしたものを砕いて水と混ぜ,スズ(錫)製の型に流して作ったという。初めは石盤に字を書く蠟石の代りに用いられたため蠟石と呼ばれたが,黒板の普及とともに需要も増加し,国産の石膏原石も使われるようになった。炭酸カルシウムチョークはアメリカで作られたが,石灰石を多産する日本でも1935年ころには生産が開始された。炭酸カルシウムチョークは石膏チョークよりも硬く重いが,水に入れると溶ける。顔料で着色した色チョークもある。白墨には手が荒れる,粉が飛ぶなどの欠点も多いが,軽便なため現在でも愛用されている。特殊な白墨として,警察が駐車違反の取締りの際路上に書くために使用するものがあり,耐水性や硬さにくふうがみられる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白墨」の意味・わかりやすい解説

白墨
はくぼく
chalk

黒板などに使われる筆記用の棒顔料。石膏を焼いた焼石膏や白亜を固めたもの。元来白色であるが,種々の顔料も混ぜる。

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百科事典マイペディア 「白墨」の意味・わかりやすい解説

白墨【はくぼく】

チョーク

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白墨」の意味・わかりやすい解説

白墨
はくぼく

チョーク

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世界大百科事典(旧版)内の白墨の言及

【黒板】より

白墨(チョーク)で字や図を書きつけて掲示するために黒色または緑色に塗られた板。主として集団教授の際に用いられる。…

※「白墨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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