定盤(読み)ジョウバン

デジタル大辞泉 「定盤」の意味・読み・例文・類語

じょう‐ばん〔ヂヤウ‐〕【定盤】

表面を水平で平滑になるように作った鋳鉄製の平面盤機械工作で、工作物をその上にのせてしん出し・けがき・組み立てなどを正確に行うのに用いる。
塗師ぬし蒔絵師まきえしなどが漆の調合に用いる箱形の台。引き出しがあり、用具を入れる。
鋳物石膏せっこう細工などの底の水平を検査するのに用いる平らな鉄の板。

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精選版 日本国語大辞典 「定盤」の意味・読み・例文・類語

じょう‐ばんヂャウ‥【定盤】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 機械加工で、被加工物の測定などに用いる工具。鋳鉄で造り、裏面には力骨を鋳出し、表面は機械加工して平面にしたもの。
  3. 塗師または蒔絵師などが用いる箱形の台。表面は漆で塗り上げるか木地のままで、平面に仕上げてあり、下地の調合、漆練、漆漉しに用い、箱の中・小抽出には用具を入れる。
  4. 鋳物や石膏細工などの底が水平かどうかを検査するのに用いる平らな鉄の板。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「定盤」の意味・わかりやすい解説

定盤
じょうばん

検査、けがき、および組立ての基準となる平坦(へいたん)面をもつ台。使用目的によって精度形状、大きさ、材質などが異なる。たとえば、一般の機械工場において芯(しん)出しおよび仕上げ用として用いられる箱形定盤、検査用として用いられる精密定盤、定盤や精密平面の仕上げ加工時の基準として用いられるすり合せ定盤、機械・機器の据付け用として用いられる組立用定盤などがある。材質は、成形の容易さ、振動の減衰性、潤滑性などを要するので鋳鉄でつくられることが多い。精度を要さないものは平削り盤で仕上げただけであるが、精密なものはきさげ仕上げを施す。また精密定盤は経年変化を嫌うので、鋳造後および荒仕上げ後に十分な熱処理もしくは自然枯らし(長期間、自然界に放置して、残留応力を除去すること)を行う。

[清水伸二]

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改訂新版 世界大百科事典 「定盤」の意味・わかりやすい解説

定盤 (じょうばん)
surface plate

機械部品の加工,組立ておよび検査における基準平面として用いられる。長方形または正方形の表面をもち,その平面はきさげまたはラップによって正しい平面に仕上げられている。材料は鋳鉄製,石製などがある。鋳鉄製のものは,変形をなるべく小さくするために裏側はリブで補強されている。石製は花コウ岩,斑レイ岩,輝緑岩が使われ,さびないこと,傷をつけたとき盛上りがないことなどの特徴がある。最近は硬度,耐摩耗性に優れているセラミックス製のものがある。平面度は1000mm×1000mmの大きさのもので8μmである。JISに性能,測定方法が規定されている。
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百科事典マイペディア 「定盤」の意味・わかりやすい解説

定盤【じょうばん】

表面を平滑に精密仕上げした鋳鉄製,石製,セラミックス製などの平板。前者では裏側には変形防止と補強のための骨組みが鋳出してある。部品検査,心出し,罫書(けがき),組立てなどの作業の基準面として用い,工作物の平面度の検査にも利用される。
→関連項目トースカンホイットワース

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「定盤」の意味・わかりやすい解説

定盤
じょうばん
surface plate

きわめて平滑な表面をもったテーブルまたはブロック状の台のことで,この平面を基準にして工作物のけがき作業や検査を行う。鋳鉄製が最も多く,高精度のものは花崗岩やセラミックス製のものもあり,一般には長方形か正方形をしている。1辺の長さは 100mmから数mのものまである。この定盤をけがき定盤というが,このほか,相手面とすり合せて平滑にするすり合せ定盤がある。 (→ラップ仕上げ )

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