コロンビア革命軍(読み)コロンビアかくめいぐん(英語表記)Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia; FARC

共同通信ニュース用語解説 「コロンビア革命軍」の解説

コロンビア革命軍(FARC)

ソ連共産党の影響下、1964年に結成されたコロンビアの左翼ゲリラ組織。農地の公正分配などを求めて武装闘争を展開、軍や政治家らに対するテロ誘拐を繰り返した。コカイン原料になるコカ葉輸送の警護料や、誘拐の身代金が主な収入源。ウリベ前政権(2002~10年)が掃討作戦を強化して弱体化。米国が国際テロ組織に指定。(共同)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロンビア革命軍」の意味・わかりやすい解説

コロンビア革命軍
コロンビアかくめいぐん
Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia; FARC

コロンビアのマルクス主義ゲリラ組織。1964年にコロンビア共産党の軍事組織として結成され,農村部から集められた約 1万人の武装兵士と推定で数千人の支持者をもつ。麻薬取引や誘拐による身代金を資金源とする。富裕層から貧困層への富の再分配を唱える。1985年,FARCその他の左翼団体は,政府との停戦合意を経て合法政党である愛国同盟 UPを組織した。UPは 1986年の選挙で大勝したものの,その後数年間で大統領候補 3人を含む数千人もの党員が右派軍事組織により殺害された。2002年に就任したアルバロ・ウリベ・ベレス大統領は,徹底的な FARC掃討作戦を展開。2008年には,FARC最高司令官で組織創設者の一人であるマヌエル・マルランダ・ベレスが死亡。後継のアルフォンソ・カノも,2011年に政府軍により殺害された。2012年,FARCと政府はノルウェーオスロで直接和平交渉を開始した。死者 22万人に達した 52年に及ぶ内戦終結に向け対話を進めてきたフアン・マヌエル・サントス大統領は 2016年6月,FARC最高司令官ロドリゴ・ロンドーニョとキューバハバナで停戦協定に署名し,続く 9月には歴史的な最終平和協定に調印した。直後に実施された国民投票で和平合意が否決されたものの,再交渉後の新協定が議会で承認された。合意に尽力したとしてサントスは 2016年ノーベル平和賞を受賞した。

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