改訂新版 世界大百科事典 「コンソールテーブル」の意味・わかりやすい解説
コンソール・テーブル
console table
18世紀の上流階級のオテルやカントリー・ハウスで,大広間の壁面に取り付けられた装飾用のテーブル。甲板に大理石が用いられ,その上に肖像彫刻,置時計または花瓶などがのせられて,壁面装飾のアクセントの役割を果たした。とくにロココ時代には大型の壁鏡の下に備えられて室内装飾の効果を高めた。コンソール・テーブルは,一般的には後脚がなく前脚2本で甲板を支えるのが普通の形式であるが,ときには貫(ぬき)で互いに連結した四脚式の形式もみられる。フランスではルイ15世の時代からオテルのホールやアルコーブ(私室)の壁面装飾に導入され,カブリオール脚と呼ばれる曲線の脚が愛用された。イギリスではジョージアン期初期(18世紀初め。ジョージアン様式)からホワイトホールをはじめ地方貴族の邸館のギャラリーやホールの壁面装飾として流行した。
→カブリオール脚
執筆者:鍵和田 務
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