デジタル大辞泉
「ゴンバデカーブース」の意味・読み・例文・類語
ゴンバデ‐カーブース(Gonbad-e Kāvus)
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ゴンバデ・カーブース
Gonbad-e Kāvūs
イランのゴルガーン東方に残る高塔形墓廟(グンバド)。初期イスラム建築の傑作の一つ。1006・07年に,カスピ海南岸地方を支配したジヤール朝の君主カーブースの命で建造された。墓廟という機能のほかに支配者の権威を象徴する役割をも果たしたと考えられる。高さ51mを超す雄大な円筒状の塔は煉瓦造りで,頂部の屋根は円錐形。塔内は空洞で墓室はない。壁面には突出するつば状の突縁があるほか,クーフィー体による銘文帯があるのみで,きわめて素朴である。
執筆者:杉村 棟
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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世界遺産詳解
「ゴンバデカーブース」の解説
ゴンバデカーブース【ゴンバデ-カーブース】
2012年に登録された世界遺産(文化遺産)。10~11世紀、ズィヤール朝ペルシアの首都だったゴルガン(ジョルジャン)は、中央アジアのイスラム都市としてその繁栄ぶりを誇った。ゴンバデ・カーブースは、そのゴルガンに建つズィヤール朝第4代国王カーブース・ワシュムギールの霊廟墓塔で、「1006年にズィヤール朝の君主のカーブースが自身のために建てた」と墓塔側面の銘文に記されている。高さは53mと巨大で、円筒形の先端が鉛筆のように尖った形状で内部は空洞。無釉煉瓦造りのユニークなデザインはペルシア文化・イスラム文化・アジア遊牧民文化などが融合した美と威風を特徴とし、ペルシア建築の傑作として、内層と外層からなる二重のリブも含め、後世のモスクをはじめとする建築様式に影響を与えた。ズィヤール朝は、14世紀にモンゴル軍の侵略で滅亡したが、このゴンバデ・カーブースは唯一破壊を免れた貴重な文化遺産である。◇英名はGonbad-e Qābus
出典 講談社世界遺産詳解について 情報
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ゴンバデカーブース
Gonbad-e Qāvūs
イラン北部,マーザンダラーン州の都市。ゴルガーンの北東に位置し,トルクメニスタン国境に近く,住民はトルクメン人が多い。農業が盛んで,綿花,タバコを産するほか,ヒツジの飼育も行なわれる。古代名ジュルジャーン。現在の地名は「カーブースのゴンバド(墓塔)」の意で,11世紀のジヤール朝にこの地を治めたカーブースの墓塔(1006~07)が建つことに由来する。墓塔は煉瓦づくりで,高さ 53m,直径 15.5~17mの多角形の柱の上に円錐形の屋根が載る。2012年世界遺産の文化遺産に登録された。人口 8万7100(1986)。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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