サイドワインダー(読み)さいどわいんだー(英語表記)sidewinder

翻訳|sidewinder

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サイドワインダー」の意味・わかりやすい解説

サイドワインダー
さいどわいんだー
sidewinder
[学] Crotalus cerastes

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目クサリヘビ科のヘビ。横ばい運動で知られるマムシ亜科の毒ヘビで、別名ヨコバイガラガラヘビという。アメリカ合衆国南西部、メキシコ北西部に分布する。全長50~80センチメートルで、ガラガラヘビ属としては小形。体背面は灰褐色または黄褐色で、背中線上に暗褐色横縞(よこじま)模様が並ぶ。頭部は三角形で、目の上に眼上板(鱗板の一種)の変形した角(つの)状突起があり、尾端にはガラガラヘビ特有の発音器官をもつ。植物がまばらに生えた半砂漠地帯の砂地に生息し、ネズミ・トカゲ類などを食べる。気温の高い日中は低木茂みの陰で砂の中に潜り、目だけ出している。目の上の突起は、目が砂をかぶらないために役だっている。滑りやすい砂地での移動は、体をS字状に曲げて横に進むという、本種特有の「横ばい運動」による。これはつねに体の2か所を地面につけ、この接地点をずらしていく方法で、図説しにくい複雑な運動となっている。砂地を移動する接地点の軌跡は平行した線模様となって残る。

[松井孝爾]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サイドワインダー」の意味・わかりやすい解説

サイドワインダー
Sidewinder

戦闘機などに装備されている西側世界の代表的AAM (空対空ミサイル) 。 AIM-9L型で射程約 10~18km,速度マッハ 2.5,直径 12.7cm,全長 2.9m,発射重量 86.1kg,推進方式は固体ロケット。赤外線ホーミングで,相手機のジェット噴射など,熱源を追いかけて命中するので,ガラガラヘビ sidewinderの名がつけられた。初期のものは目標機の後方から発射して命中させていたが,最新型の AIM-9型は前方から発射しても命中する全方位攻撃能力を有する。 AIM-9型には初期の AIM-9A型から最新の AIM-9M型まである。

サイドワインダー
Crotalus cerastes; sidewinder

トカゲ目クサリヘビ科。体長 50~70cm。小型のガラガラヘビで,眼の上の鱗が角状に変化して特異な顔になっている。褐色の体に暗色の斑紋をもつが,色彩には変異が多い。くずれやすい砂の上を移動するときに,体を螺旋状に巻いて斜め前方へ進むので,あとに不連続な平行の痕跡が残る。「横にうねるもの」という意味の名称は,この習性に基づいている。卵胎生。北アメリカ南西部の乾燥地帯にすむ。

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