サイバー戦争(読み)サイバーセンソウ

デジタル大辞泉 「サイバー戦争」の意味・読み・例文・類語

サイバー‐せんそう〔‐センサウ〕【サイバー戦争】

コンピューターネットワーク上で行われる戦争。敵性国家が仕掛けたサーバーテロに対する自国の機密情報システムの防護反撃など、ネット上での攻防戦をさす。サイバー空間は、陸・海・空・宇宙に次ぐ5番目の戦場と認識されている。

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百科事典マイペディア 「サイバー戦争」の意味・わかりやすい解説

サイバー戦争【サイバーせんそう】

サイバー攻撃とも。サイバー空間での軍事機密情報や国家インフラへのアクセスや攻撃をさす言葉。2009年アメリカ軍はサイバー戦争を担当する統合部隊として,USサイバー軍を創設した。地球規模ネットワーク作戦担当統合タスクフォースとネットワーク戦担当統合機能部隊の二つの既存の部隊の任務を統合・再編するかたちで創設されアメリカ戦略軍に所属する部隊である。基地はメリーランド州フォート・ジョージ・G・ミード陸軍基地。米国は〈サイバー戦争〉を主として中国から米国に加えられるサイバー攻撃をさして用いている。2013年2月,オバマ大統領は米国の国家インフラへのサイバー攻撃対策を強化する大統領令署名,アメリカの情報セキュリティー会社が〈中国軍の部隊が米企業を攻撃〉と指摘する報告書を公表。2013年6月ヘーゲル国防長官は〈サイバー攻撃の一部は中国政府や軍が関係している〉と言明した。米国国防省は2013年の年次報告書のなかでも中国が米政府のコンピューターから機密情報を探り出そうとしていると記している。これに対して中国は政府や人民解放軍関与を全面的に否定する姿勢を貫いている。しかし海外の複数のメディアが中国サイバー軍の存在を報じている。報道によれば,中国サイバー軍は広東省広州軍区に電子戦用部隊の訓練などを行う組織として存在しており,名称は〈ネット藍軍〉と呼ばれている。また米国の民間機関メディアス・リサーチによればサイバー部隊の一部は中国人民解放軍海南島基地に存在し部隊名と規模は〈陸水信号部隊(隊員計約1100人)〉としている。しかし,サイバー空間での軍事機密情報や国家インフラへのアクセスや攻撃は米中のみならずすべての国にとって脅威となっており,軍事的な対応が求められている問題となっている。日本でも2014年3月防衛省はサイバー攻撃の脅威に対処する自衛隊の専門部隊サイバー防衛隊を発足させた。サイバー防衛隊は陸海空自衛隊から約90人で編成,防衛省内に設置する。24時間態勢で防衛省・自衛隊のネットワークの監視やサイバー攻撃が発生した際の対応を担いサイバー攻撃に関する脅威情報の収集・分析・調査研究を一元的に行う,としている。

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