サック

精選版 日本国語大辞典 「サック」の意味・読み・例文・類語

サック

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] sack )
  2. 袋。入れ物。おおいかぶせるもの。
    1. [初出の実例]「珊瑚珠の入ったサック」(出典:黴(1911)〈徳田秋声〉九)
    2. 「警官はピストルのサックを脱して」(出典:上海(1928‐31)〈横光利一〉三五)
  3. ( 「ルーデサック」「衛生サック」などの略 ) コンドーム。
    1. [初出の実例]「薩克(サック)有り耶、薄ふして且つ柔かなる者有り耶」(出典東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉五)

さっく

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる ) 勢いのよいさま、てきぱきしたさまを表わす語。さっと。
    1. [初出の実例]「馬屋の出し口さっくとかけて、はしととどめ、しとと留めてはさっくとかけ」(出典:説経節・をくりの判官(1718頃か)せみやう)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サック」の意味・わかりやすい解説

サック
sakk

アッバース朝を中心にイスラム帝国で使用された支払い小切手。英語で小切手を意味するチェックの原語。商業経済の発達に伴って遠隔地との商業取引の決済軍隊あるいは官吏への俸給支払いのために小切手 (ルクア) や為替手形 (スフタジャ) とともに広く利用された。小切手が両替商 (→サッラーフ ) に振出されるのに対して,サックは貨幣取扱吏 (ジャフバズ) に振出されるのが一般的であった。

サック

戦略空軍」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサックの言及

【手形】より

…このように為替手形が割引可能な証券となったことによって,近代的な手形が成立したことになる。【清水 広一郎】
[イスラム世界]
 イスラム世界はウマイヤ朝時代に,西はイベリア半島から東は中央アジア,イランまで広大な領域に拡大し,アッバース朝時代には行政上,商業上の必要からスフタジャsuftaja(為替手形),ルクアruq‘a(約束手形),チェックcekkまたはサックṣakk(小切手)など各種信用証券が発達した。貨幣と貨幣とを交換する単純な両替と異なり,現実に受け取った貨幣またはその対価物と交換に証券を与え,これを媒介として支払をするのが手形決済である。…

※「サック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む