1982年に登録されたリビアの世界遺産(文化遺産)で、首都トリポリの西約65kmの地中海沿岸にある古代遺跡群。サブラータは、地中海貿易で活躍していたフェニキア人が、紀元前9~前8世紀に、中部アフリカの国々と象牙、金、宝石などの交易を行う拠点として建設した都市。その後、サブラータはローマ帝国の支配下となり、2~3世紀にローマの植民地に昇格し、最盛期を迎えた。しかし、4世紀に相次いで大地震の被害を受け、次第に衰退していった。サブラータの町は長い間、砂に埋もれ忘れ去られていたが、1937年から発掘作業が進められた。ここから、北アフリカ最大規模といわれる円形劇場のほか、神殿群、アゴラ(広場)、バシリカ式教会、公衆浴場などの遺跡が出現した。劇場や公衆浴場跡からは、モザイクの床板も見つかっている。このようなローマ都市遺跡としての価値が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はArchaeological Site of Sabratha