サポジラ(読み)さぽじら(英語表記)sapodilla

翻訳|sapodilla

デジタル大辞泉 「サポジラ」の意味・読み・例文・類語

サポジラ(sapodilla)

サポディラ

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精選版 日本国語大辞典 「サポジラ」の意味・読み・例文・類語

サポジラ

  1. 〘 名詞 〙 ( [スペイン語] sapodilla ) アカテツ科の常緑高木。熱帯アメリカの原産で、果樹として暖地で栽植される。幹は高さ二〇メートルぐらいになり、樹皮ゴム質の乳液を含む。葉は光沢のある倒卵形。花は小さな白花で葉腋(ようえき)につく。果実は鶏卵大で、黄褐色または赤褐色、果肉は紅褐色で甘味があり食べられる。樹皮を傷つけて得られる液を煮つめたものをチクルといい、チューインガムの基剤とする。チューインガムのき。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サポジラ」の意味・わかりやすい解説

サポジラ
さぽじら
sapodilla
[学] Manilkara zapota (L.) P.Royen
Achras zapota L.

アカテツ科(APG分類:アカテツ科)の常緑高木。チューインガムノキ、チクルともいう。熱帯アメリカ原産で、果樹として、また分泌乳液のチクルをとるために熱帯各地栽培されている。高さ9~12メートル。葉は長楕円(ちょうだえん)形、暗緑色で光沢があり、質は堅く、長さ4~15センチメートル、1.2~2センチメートルの葉柄がある。花は黄白色で筒状、径0.8~1.2センチメートル、夜間に強く香る。果実は卵形ないし球形で径6~10センチメートル、果皮は褐色でざらつく。果実および種子の形、また味など、植物のカキによく似ている。果肉は赤褐色で、肉質は多少ざらつき、黒砂糖に似た強い甘味があり、味や香りが干し柿(がき)に似ている。種子は3~6個あり、長さは1.5センチメートルほどである。

 樹皮に傷をつけて樹液を集め、これを煮つめて天然チクルをつくり、チューインガムの原料とする。コロンブスが1492年新大陸を発見したとき、原地人はすでにチクルガムを噛(か)んでいたという。果実は油で揚げたりして料理され、シャーベットプレザーブにもされる。樹皮はタンニンを含み、収斂(しゅうれん)剤として薬用のほか、漁網や帆布の染料とする。葉も民間薬に利用される。また、完熟したものは生食される。種子は有毒ともいわれる。

 主産地はメキシコ、グアテマラ、ホンジュラスなどで、温暖多湿の気候でよく育ち、海岸に近い低地帯が栽培の適地である。繁殖は実生(みしょう)、接木(つぎき)、取木による。

[星川清親 2021年3月22日]


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改訂新版 世界大百科事典 「サポジラ」の意味・わかりやすい解説

サポジラ
sapodilla
sapote
Achras zapota L.

アカテツ科の常緑高木で,果実を食用とし,また樹液から特異なゴム質を採取する。熱帯アメリカ原産で,樹高は20m余,葉は暗緑色でにぶい光沢があり,長さ4~15cm,幅2.5~6cm,葉腋(ようえき)から出る花は筒状で目だたず,径約1cm,花弁は6枚で黄白色,夜間強く香る。果実は直径5~10cm,褐色で断面はジャガイモか長形のカキに似ている。果実は黄褐色で多汁,干しガキのような香りがし,カキの種子に似た種子が2~6個入っている。生食,缶詰,瓶詰,シャーベットなどにする。果樹として熱帯各地で広く栽培されるが,庭の片隅に植えられていることが多い。樹幹を傷つけると白い乳液が出る。これを集めて煮つめたゴム質が天然チクルで,人間の体温程度の温度で適度に軟化するので,チューインガム原料とする。このためチューインガムノキともいう。15世紀末のコロンブスの新大陸発見のとき,すでに土地の人はこのゴムをかんでいたといわれる。現在は南メキシコ,グアテマラ,ホンジュラスなどからチクルが輸出されている。
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百科事典マイペディア 「サポジラ」の意味・わかりやすい解説

サポジラ

チューインガムノキとも。熱帯アメリカ原産のアカテツ科の常緑高木。樹皮に傷をつけ,出てくるゴム質を含む乳液を集めて煮つめたものをチクルといい,チューインガムの基質とする。果実は楕円体状で,成熟すると果肉は柔らかく,カキに似て多汁で,甘味がある。果樹として東南アジア各地に多く栽培される。
→関連項目チクル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サポジラ」の意味・わかりやすい解説

サポジラ
Achras zapota; sapodilla

アカテツ科の常緑高木。チューインガムノキとも呼ばれ,メキシコ,グアテマラ,ホンジュラスなど熱帯アメリカ原産の熱帯果樹の一つで,熱帯地方の各地で栽培されている。径6~10cmの球形または楕円体状の果実がなる。果肉は黄褐色,透明で柔らかく甘みに富み,干し柿に似た香りがある。材から粘性の強いゴム質をとり,これをチクル chicleと呼んでチューインガムの素材とする。

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栄養・生化学辞典 「サポジラ」の解説

サポジラ

 [Manilkara zapota].カキノキ目アカテツ科の植物.チューインガムの基礎剤となる樹脂チクルの原料をとる.果実は食用になる.

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世界大百科事典(旧版)内のサポジラの言及

【チクル】より

…アカテツ科サポジラの樹木から染みでる乳液を煮つめた固形物。柔軟さと弾力性とをあわせもち,チューインガムの原料として不可欠である。…

※「サポジラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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