翻訳|sherbet
氷菓子の一種。果汁などにシロップ(濃縮した砂糖液)を加え,かき混ぜながら凍らせたもので,フランス語ではソルベsorbetという。細かいみぞれ状で口に溶けやすく,食後のデザートや食事中の口直しとして用いられる。種類はレモン,オレンジ,ヨウナシ,イチゴ,カシス(黒スグリ)など酸味のある果物で作るもののほかに,シャンパン,ワイン,リキュールなどで作るものがある。後者はおもに正餐(せいさん)のアントレとロースト料理の間で出される。これは,昔フランスで行われていた食事の中ほどで1杯の強いリキュールを飲むという習慣から変化したものと考えられている。作り方は,果汁,洋酒などの主材料に,糖度14~16度くらいのシロップ(糖度計で測る)を加えて氷菓製造機(ソルベティエール)にかけて冷やし固める。機械がない場合は,ボウルに入れて冷凍庫に入れ,固まりかけたら取り出して泡立器でよくかき混ぜ,再び冷凍庫に入れる。この操作を何回かくり返す。レモン汁やクエン酸で酸味を補ったり,口当りを柔らかくするために卵白やゼラチンを加えることもある。
語源のアラビア語sharbahは〈飲みもの〉の意で,古くアラビア,トルコ,ペルシアなどの地域で果汁に雪や氷を加えて飲む習慣のあったことを示している。これが10世紀前後にはイタリアに伝えられ,氷菓として工夫がこらされたと考えられている。16世紀に入ってフランスに紹介されたシャーベットは,アイスクリームとともに都会的な洗練されたデザートとして人気を集め,17世紀にはこれを出すコーヒー店がパリに現れ,やがてヨーロッパ中に広まったといわれている。
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
果汁を主材料として砂糖、香料、そのほか牛乳や卵白、ゼラチンなどを加えて凍らせたものを一般にシャーベットという。食品の分類上は氷菓で、材料に牛乳や生クリームなどを用いたものでも使用量が少ないので乳製品としては扱われない。シャーベットの語源はアラビア語で飲み物の意味のshabãt。トルコ、イタリアを経て16世紀にフランスに伝わったといわれている。フランス語ではソルベsorbetといい、リキュールなどの洋酒を果汁に加えて、一部液体が残るように凍らせた飲み物も意味する。フランス料理では食事中の口直しとしてアントレ(メインの肉料理)のあとに供される。果汁に水、甘味料、酸味料を加えて凍らせただけの口あたりの固いものと、卵白やゼラチン、クリームを加えて泡立て、滑らかな感触にしたものとがある。家庭でつくる場合、好みの果汁に水やワイン、砂糖、レモン汁などで味をととのえ、湯煎(ゆせん)で溶かしたゼラチン液、または泡立てた卵白を加えて容器に入れてフリーザーで凍らせる。ほぼ凍ったら、スプーンでほぐすようにかき混ぜて、ふたたび凍らせる。
[河野友美・山口米子]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…牛,子牛,子羊,鶏,カモなどの鳥獣肉が主だが,猟鳥獣や内臓料理の場合もある。(5)ソルベ 英語ではシャーベット。アントレとローストの間に口直しとして出されるため,甘みをおさえてある。…
※「シャーベット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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