改訂新版 世界大百科事典 「サポテコ」の意味・わかりやすい解説
サポテコ
Zapoteco
メキシコのオアハカ州に集中して住むインディオ集団。人口48万。スペイン人の征服前には高度の文化を発達させ,モンテ・アルバンは代表的遺跡であり,ダンサンテの石彫の層にはオルメカとマヤの影響がみられる。すでに前2世紀には高度の農業技術を発達させ,貴族と司祭を上にいただく階層社会が成立していた。紀元前後にはテオティワカン文化の影響もなくなり,サポテコ独自の文化が成立し,死者崇拝が盛んで墳墓と埋葬用の壺が発達し被征服期にまでいたっていた。現在,5歳以上でサポテコ語を話す人口約22万で,オアハカ平野を中心に四方に分布する。北部と平野部サポテコは隣接するミヘ(族)を経済的に支配し,平野部サポテコはインディオというよりは市場経済に慣れた農民である。地峡部サポテコはきわめてメスティソ化している。テワンテペクのサポテコの行商人はチョンタル(族)とウアベ(族)を牛耳っている。南部サポテコのうち,特にロシーチャは最も後進のグループである。
→オアハカ文化
執筆者:黒田 悦子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報